カネと野望のインターネット10年史


扶桑社 扶桑社新書
カネと野望のインターネット10年史 ~IT革命の裏を紐解く~ /井上トシユキ

ライブドアと楽天だけに絞った方が面白かったんじゃないかなー。ある程度の分量できちんと書かれているのはライブドアと楽天のくだりぐらいで、それ以外は、大まかな概略だけだったり、根拠が示されないままの陰謀論で、がっかり。加えて、全体に論理の飛躍がめちゃ激しいのもなー。

マザーズ上場第一号で後に事件を起こすリキッドオーディオ・ジャパンからはじまり、光通信を経由して、ライブドア、楽天までの時代を、インターネットと新興市場、そして、政治や裏にある闇社会との関係を中心に描いた内容。新書なので仕方ないのかもしれないけれど、全体に大味で、説明不足&論理の飛躍が激しいのが残念。やはり、もうちょっとテーマを絞って書いて欲しかったところ。いやぁ、分量を割いているライブドアの話は、きちんと面白いんだよねぇ~。わりと容赦のない筆致も読んでてなかなか楽しいし。いや、陰謀論や作者の主張する部分なんかも、本来はもっと面白くなると思うんだけど、説得力を持たすために本来書かなきゃいけないようなことがバッサリ抜けていて、さすがにそれじゃどうかと思う。もったいないよなー。

[ 2007.06.07 ]