キミを救う最初の呪文


メディアファクトリー MF文庫J
キミを救う最初の呪文 /須堂 項

おもしろかったっ!! や、今まで須堂項は、そこそこ書けるんだけど作品の方向性と作風がいまいちあってなくて微妙、という風に思ってたんだけど、この新作は、そういうちぐはぐ感が少なくて、ほんと面白かったです。

そゆわけで、「あなたを殺してわたしも死にます!!」といきなり巨乳ポニテ娘に襲われるところからはじまるラブコメディ。王道のストーリー展開でテンポも良く、無難におもしろい内容。まあ、コメディ主体にしては、小さく纏まっちゃってるというか、+αなエッセンスが欲しいとは思ったりもするんだけど。……あと、やっぱり、るりかの設定が今ひとつ活用できてないとか、恋愛方面もちょっと弱いとかあるんだけど、これは次巻に期待かなー。<「因果律の拒絶」とか「師匠」ネタは、もっといぢれたと思うんだけど

しかし、今回、文は良かったんだけど、挿絵があまりに酷い出来なのは、もうちょっとなんとかならなかったんだろうか(^^;。

[ 2006.03.26 ]


メディアファクトリー MF文庫J
キミを救う最初の呪文2 /須堂 項

ダメ。ベースとなるストーリーラインがふらふらしてる上、肝心のラブコメ展開なイベントが、描写がほとんどされてなかったり、もしくは、イベントそのものがスルーされてたりしてるのよね。まともにイベントを描かずして、いったい、なんのためのラブコメですかっ!! や、話の内容によっては、「あえて描かない」というのもアリなんだけど、こういうドタバタラブコメでは、イベントを描かないなんて、ダメのダメダメだろ(T-T)。

未来から来た るりか は、そのまま勇治の家に居候することに。るりか、那奈、一海の三人に、新キャラのメイドを加え、勇治を巡るラブバトルは、さらに苛烈にっ!! ということなんだけど、正直、出来は非常に悪いです。やっぱり、ドタバタコメディで、イベントがまともに描かれてないのは、ダメとしかいえません。そもそも、須堂項にラブコメを書かせること自体、無理だったんじゃないだろうか。発売日が何度も延期した辺りで、いろいろ試行錯誤してかなり苦労されたことは想像つくんだけど、もうちっとなんとかならなかったのかなー。

[ 2006.09.29 ]