ルナ・シューター
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幻冬舎 幻狼ファンタジアノベル
ルナ・シューター1 /林譲治 -
むちゃくちゃおもしれぇーーーっっっ!! や、近未来の月を舞台にした、地球外文明との戦争を描いた作品なのだけど、その SF的な設定と演出が、ホントむちゃくちゃおもしろいぃぃぃっ!!
2025年、わずかに月に進出し始めていた人類は、突如、謎の地球外文明のロボットによる攻撃を受ける……。という感じで、近未来の月を舞台にした異星ロボットとの闘いっ!! なんといっても、月面上での物理特性を細かく説明しつつ描写された戦闘が秀逸っ!! そして、異星ロボットの謎を散りばめながら展開するストーリーが、おもしろいおもしろい。近未来ハードSF風に細かく設定&説明する演出と、地球外文明との戦争というキャッチーなネタが、うまく融合していて、ほんと面白かったです。特に、今巻のラストのオチはえげつなくて好きだなぁ。
ただ、キャラが幼稚なのが珠にキズ。いや、ヒロインのツンデレはああいうキャラだから仕方ないといえ、どうにも、登場人物たちの、全般的な行動や思考が幼稚なのはいただけない。仮にも、選抜されて月に来た、良い年した大人という設定なのに……。こー、林譲治は他作品でも、わりと大人を描くのが苦手な感じなので、せめて、少年少女を主人公にすれば良かったのに。一応、ライトノベルレーベルなんだし……。
あと、挿絵があまりにしょぼいのは、もうちょっとどうにかならなかったのかなー。というか、あれなら、正直、挿絵いらんだろ……。
[ 2008.09.05 ]
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幻冬舎 幻狼ファンタジアノベル
ルナ・シューター2 /林譲治 -
月面での地球外文明との戦争、という近未来SFだったハズなのに、いつの間にか、職場のドロドロ人間模様みたいな話になっている件。せっかく、月を舞台にしてるんだから、もっと SF寄りにして欲しいなぁ。
溶岩チューブの制圧により、異星ロボット・ラミアとの戦争で優位に立った月面軍。しかし、その優位によって一時的な平穏を得た月面軍内では、人間同士の軋轢が表面化していく……。というわけで、この 2巻は、低俗な人間ドラマがメインになってしまって、ギャフン。それを描きたいなら、なにも月を舞台にしなくてもいいんじゃね? 好み的には、もっとガチでハードなSFが読みたかったんだけどなぁ。まあ、ラミア側のいろんな秘密や謎は、盛りだくさんに仕込んできてはいるので、続巻は、まだまだ期待なんだけど。
[ 2009.01.11 ]
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幻冬舎 幻狼ファンタジアノベルス
ルナ・シューター3 /林譲治 -
すげーおもしろかったっ!! これは良い近未来SF。“樹里”という特異な存在の登場によって、ちらちらと真相を開示しつつ、「これはいったい、どうなるんだ~」と、ぐいぐいと興味を持たせて、一気に読ませる内容が素晴らしい素晴らしい。
制圧した敵異星体・ラミアの基地での、死んだはずの樹里との再会。元恋人の涼は、違和感を覚えつつも樹里と会話を進め、ラミアの情報を引き出そうとするが……。という感じで、近未来の月を舞台にした異星ロボットとの戦争を描いた本作もいよいよ最終巻。1巻、2巻、3巻と、それぞれの巻で、ぜんぜん作風が違う気もするけど(^^;、読み終わってみれば、地に足の着いた近未来SFとして非常に丁寧に作られていて、いやぁ、おもしろかったっ!! 一癖も二癖もあって人間味あふれるキャラも魅力的で、変なおっさんにしか見えないモンスター教授とか、どうよ(^^;。物語の真相から繋がるラストも綺麗に纏まっていて、ほんと、いいSFでした。
[ 2009.06.11 ]