モノレールねこ


文藝春秋 文春文庫
モノレールねこ /加納朋子

マジにザリガニ泣けるっ!! めちゃいい話だ。

八つの短編を収録した短編集。個々の短編に関連性はなくそれぞれ独立した話なのだけど、強いて共通性を挙げるとすれば、どれも人の繋がりを描いたような話かしらん。微妙に後味の悪い話も混ざっているけど、総じて、綺麗に纏まった、いい話系の話が多い印象。

8編の中で特に印象のある作品を挙げると、やっぱり「モノレールねこ」と「バルタン最期の日」。「モノレールねこ」は、ノラ猫を介した少年同士のやりとりが、メールとか比べると違い牧歌的でいいねぇ。そして、オチも最高っ!! 「バルタン最期の日」は、ある一家に飼われることになったザリガニを通してみる家族の風景なんだけど、いやぁ、コミカルながらも家族愛にあふれた情景がめちゃ感動的。特に、お母さんが泣かせるなぁ。

[ 2009.07.09 ]