日本崩壊
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早川書房 ハヤカワ文庫JA
日本崩壊(上) /御堂地章 -
駄作。うわぁ、あわせて下巻も買ってしまったのが泣ける(T-T)。や、訴えたいことはわかるというか、自己主張ばかりが目立つのだけど、そのせいか構成や演出があまりに酷く、小説としての体裁が整ってないのよ。あと、こういう政治経済の時事ネタを扱った作品って、旬のときに読まないとツライよなぁ。<もとは2001年の作品らしいので、読んだのが当時だったら、そこそこ面白かった予感もするのだけど
そゆわけで、崩壊寸前の日本経済、日本発の大恐慌&第三次世界大戦を回避できるのかっ!! という内容のハズなんだけど、ページの大半は、作者による政府批判や改革案で、それ、小説じゃないから(^^;。そういう歪んだ作りなので、当然、ストーリー構成や演出も、とにかく酷い。というよりそういう部分の考慮が欠けてる予感。展開が魅力的に描けてないのはしかたないとして、内容に説得力を出せてないのは、問題だろう。……下巻では、せめて多少のカタルシスは感じさせて欲しいなぁん。
[ 2005.12.03 ]
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早川書房 ハヤカワ文庫JA
日本崩壊(下) /御堂地章 -
やっぱり、ダメダメ。小説として、ここまで酷いのはちと記憶にない。主張を伝える手段に小説という形態をとる、というのはありだとは思うのだけど、申し訳程度にほんの少しストーリー要素を付け足しただけで、「小説です」「エンターテイメントです」と名乗るのは、さすがにおこがましいと思う。
そゆわけで、ひたすら日本の官僚制度を批判する内容。あとがきを読んでも、エンターテイメントはおまけで、あくまで、日本の諸問題を指摘し改革案を提示することが主目的のようなのだけど、そうはいっても小説を名乗ってる以上、限度があるだろう。あと、その目的に対して、フィクションという形式がいいとは思えないんだけどなー。要素だけ挙げると、経済破綻、総選挙での与党大敗、副大臣暗殺、与党幹事長の暴走、首相の娘誘拐、アメリカの対日政策の転換、北朝鮮の核ミサイル発射準備、国民暴動、第七艦隊派遣、etc という感じで、いかにもおもしろそうなのに、もったいない。
[ 2005.12.04 ]