オカルトリック


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
オカルトリック /大間九郎

素晴らしい素晴らしい。もともとエッジが利いて癖の強い大間九郎の新シリーズは、オカルト専門の安楽椅子探偵と女装が似合う助手の物語。ただ、探偵と助手といっても、ミステリというより個性的なキャラが魅せる西尾維新的な方向性なのよ。いやぁ、大間九郎の前作『ファンダ・メンダ・マウス』と比べて、エッジを利かせた作風のまま、格段に読みやすくなり、いい意味で流行のライトノベルっぽく間口の広い作品になったとの印象です。すっげーおもしろかったっ!!

そゆわけで、元狐憑きで1年以上前の記憶がない探偵助手の少年・玉藻と、そんな玉藻を愛しすぎてる、探偵でひきこもりな残念系美女のねえさん・葛乃葉を中心とした物語。葛乃葉といい、イソラといい、狂気に満ちてヤンデレ気味に壊れたキャラが非常に愉快。背景の設定もなかなかに病んでいて、それも素晴らしいのよ。『ファンダ・メンダ・マウス』の大間九郎としては、かなり普通に寄せてきたので、もとのコアなファンの意見は気になるけれど、個人的には、こっちのほうが、すげーおもしろかった。次回も、ラストで見せたようなイソラたんの活躍に期待していますっ!!

[ 2012.05.11 ]


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
オカルトリック 02 /大間九郎

最高傑作級。大間九郎、やっぱ凄いよ、天才だわ。とにかくキレてて、ヤンデるよなぁ。玉藻も、イソラも、ねえさんも、うわぁ、なにそのラスト。好みかどうかで言えば、決して好きなタイプの話ではないのだけど、ほんと凄いとしか言えないような内容だわ。

イソラの姉、舞花が意識を取り戻すところからはじまる導入。そして、玉藻を巡り、イソラは勝負を賭ける。と、いやぁ、ミステリ仕立てで、予想を超える展開と、どんでん返しに次ぐどんでん返し。上手くて凄いっ、凄すぎるっ!! そして、サブキャラに到るまで、壊れてイカレた登場人物が、ほんと凄いよ。寿司とかブリとか、なんだよ、このふざけたセンスはっ!! あまりにカオスな内容が、どこまでも凄いっ!! そして、まごうことなき愛の話で、ほんと素晴らしいっ!!

[ 2012.10.23 ]