折れた竜骨


東京創元社 ミステリ・フロンティア
折れた竜骨 /米澤穂信

こんなに剣と魔法の世界観でバトル向きなキャラばかりなのに、何故ミステリ?<をい。舞台は、魔術が息づく中世ヨーロッパ。暗殺騎士を追い放浪の旅を続ける騎士ファルクと、ソロン島領主の娘アミーナは、その島で起きた殺人事件の犯人に迫ることが出来るのか? という感じで、内容的にはミステリミステリしてるんだけど、この設定なら、異能バトルにすればいいのに。……いや、米澤穂信が異能バトル書いたら、それはビックリだけど(^^;。

そう思えるぐらい、容疑者たちや探偵役の設定が魅力的。剣だけでなくイスラム系の魔術をも極めた騎士ファルクをはじめ、正統派の騎士に、不死の人外、人形遣いをはじめとする謎の傭兵等々。お前ら、犯人探しはいいから、互いにバトルしろよ(^^;。逆に、これだけ華やかなキャラたちが登場する中で丁寧に進むミステリ展開は、ギャップとしての面白さはあるものの、正直、地味だよね。いや、激しい戦闘シーンもあるのだけど、必殺技の一つもないのは、やぱし、なんだか物足りない。……ファンタジーなのに普通に米澤穂信らしいミステリに仕立ててあって、その点では不満なく面白いんだけど、ただ、せっかくのファンタジーなんだから、いつもと違う米澤穂信な作品を読みたかったなと、ちと思ったりして。

[ 2010.12.18 ]