ペイン・キャプチャー


メディアワークス 電撃文庫
ペイン・キャプチャー /渡部 狛

ちょっと類型的で薄っぺらいなー。まあ、新人さんにしては文章はそこそこ読める方だと思うんだけど、ストーリーも人物も表面的で薄っぺらく、説得力もなければ印象にも残らない作品になっちゃってるのよなー。

「ペイン・キャプチャー」という能力を持つ、反抗期の少年のような行動をする警官・鉄が、その特殊能力を使って犯罪者を取り締まるという連作短編。まあ、「ペイン・キャプチャー」―“他人と痛みを共有する能力”というアイデアは面白いのだけど、それ以外はいまいち。いや、なんといっても問題なのは、シリアス基調で重い話を狙ってるはずなのに、キャラにしろなんにしろ、しっかり踏み込んで描かれてる部分が全くなく、すげー薄っぺらいのよねん。こういうタイプの話は、せめて、主人公の心情ぐらいはもっと深く踏み込んで描かないと、お話にならないと思うんですがー。

[ 2007.09.14 ]