パーフェクト・ブラッド


集英社 スーパーダッシュ文庫
パーフェクト・ブラッド 1 彼女が持ってるボクの心臓 /赤井紅介

おお、熱い熱いっ!! オーソドックスな巻き込まれ系の超能力バトルで、とくに終盤は、盛り上がること、盛り上がること。いやぁ、非常に面白かったです。……ただ、気にしたら負けなんだろうけど、あまりに設定がチープでツッコミどころがありすぎるのはなぁ(笑)。心情描写もまともに書けてないので、小説としての出来は、ちょっと酷いと思う。

ある事件を切っ掛けに、高校生の裕樹は、美少女メイドから離れられない身体にっ!! ゴハンの時もおフロの時もピッタリくっついて過ごすウレシハズカシ生活に……。という感じの内容なのだけど、せっかくのラブコメ設定が生かせてないのは残念。いや、ゆれる想いが描けてない、というよりも心情描写がさっぱりダメなので、行動に一貫性がないようにしか見えなかったり、ラブコメとしてはかなり劣るのよ。まあ、代わりに、超能力バトルモノとしては、お約束で面白い。ツッコミどころも多かったりするのだけど、後半のジェットコースター的に目まぐるしく展開するストーリーと、力で敵を叩き潰す的な熱いバトルは、爽快で楽しい。ただ、これで終われば綺麗なのに、“1”と銘打ってるのが、すげー気になる(^^;。ツッコミどころが多い設定なのと、お約束もかなり消化してしまってる感じがするので、続編を書くのは、ちょっと辛いんじゃないかなぁ。

[ 2008.01.28 ]