白翼のポラリス
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講談社 講談社ラノベ文庫
白翼のポラリス /阿部藍樹 -
王道ボーイミーツガール。表紙のイラストからして、お姫様と少年パイロットが二人っきりで逃避行してそうな雰囲気にしかみえないので、「ぜったい、犬村小六の『飛空士』シリーズのフォロワーだよな」と思って読みはじめたのだけど、なるほど、『飛空士』に『天空の城ラピュタ』と『翠星のガルガンティア』を混ぜたような内容。や、ムスカとかクジライカみたいなのは出てこないのだけど。
舞台は、陸地のほとんどが海に沈み、いくつかの巨大な舟がそれぞれに都市国家を名乗る世界ノア。各国家間をメッセンジャーとして飛ぶ少年・シエルは、ある日、無人島に流れ着いた少女・ステラを助ける……。と、あとは、お約束のボーイミーツガール。ステラはもちろんお姫様なんだけど意志が強くお転婆で、気が付けば無関係だったはずの主人公を巻き込んでいくスタイル。まあ、いろいろと、『ラピュタ』のシータを彷彿とさせるなぁ。どこかで見たような王道展開が勝利なのだといえよう。
第六回講談社ラノベ文庫新人賞“佳作”受賞作、ということで、新人デビュー作なんだけど、そのためか、展開や設定など、読んでて引っかかる部分は多い。そんな感じで、正直、クオリティは低いと感じるのだけど、でも、正統派ボーイミーツガールは、やはり正義だよねぇ。
[ 2017.04.03 ]