ロゥド・オブ・デュラハン
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
ロゥド・オブ・デュラハン /紫藤ケイ -
さすが大賞っ!! 他の受賞作と比べて、あたま一つ飛び抜けている印象。これは、質のいいダークファンタジーだわ。
いやもう、冒頭のイベントから吐き気がするぐらいインパクト強くて、それが竜頭蛇尾になることなく最後まで徹底して強力な物語でした。なんちゅーか、全体として赤黒い。文章だからまだ平気だけど、これ映像にしたら、血だらけで凄惨すぎるぞ。凄い凄い。それでいて、読後感が悪くないのがなおさら凄い。
そゆわけで、第3回『このライトノベルがすごい!』大賞、<大賞>受賞作。領姫の死の真相を追ううちに、死の運命を弄ぶ死術と関わりを持つことになる傭兵アルフォンスの物語。しかし、本来、シリアスな話のハズなのだけど、アルフォンスと聞くと、笠原弘子の「未来派Lovers」が頭の中で鳴り響いてしまう世代なので、名前に慣れるまで大変でした。いや、アルフォンスって、30代以上だと「未来派Lovers」の印象が強くてなかなか使えない名前だと思うのだけど、作者の人、そうか若いのか……。いや、せめてハガレンのように通称で呼んでくれればいいのに……。
それはともかく、とにかく凄惨で凄まじい物語でした。これだけ退場者が多いと、続きを書くのつらいよなぁ、と思ったら、この作者、来月から別シリーズで三ヶ月連続刊行か。実力は確たるものがあるように思えるので、別シリーズにも大期待です。
[ 2012.10.19 ]
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
ロゥド・オブ・デュラハン2 不死の都と守護精霊 /紫藤ケイ -
相変わらず、容赦ないなぁ。とことん血の赤黒いイメージを感じさせる作品。泣かせに走るわけでもないのに、躊躇なく殺していくのが凄いよなぁ。ふつー、もうちょっとハッピーエンドに倒しても良さそうなのに(^^;。
そゆわけで、死を告げる精霊デュラハンを中心においたファンタジー。今回は、守護精霊スプリガンと不死姫の物語なのだけど、スプリガン……、確かに、もともとはイングランドの巨人の姿をした精霊なのかもしれないけど、ラノベ的には、『SAO』のキリトのアバターだよね。巨人とか、違和感あるわー(笑)。……それはともかく、不死姫の生き様とか、ほんと容赦なくエゲツない。ただ、その割に、重くなりすぎていない作風は、ライトノベルらしいと思う一方、もっと重くしてもいいんじゃないかと思うと、もったいないよなぁ。いや、病弱なお姫様が、ある日を境に殺戮の日々、って、もうちょっといぢり甲斐のある設定な気も。
しかし、大軍と巨人との戦闘は圧巻っ!! 漢たちの熱い想いが詰まった感動的な話だけど、ただ、砦を守護してる理由を考えると、大軍が来たならそのまま通せばいいんじゃね?としか思えなくて、ちとストーリーには入り込めなかったりもして(^^;。
[ 2013.03.24 ]