超難関ダンジョンで10万年修行した結果、世界最強に


双葉社 モンスター文庫
超難関ダンジョンで10万年修行した結果、世界最強に ~最弱無能の下剋上~ (1) /力水

「小説家になろう」でめちゃくちゃ好きなシリーズだったんですが、書籍化ですよ、書籍化っ!! 最強なのに弱いと勘違いしてる系主人公の無双譚。書籍版では加筆もあり、って、ん? Web版では存在感ない彼女が絡んできそうな雰囲気なのだけど、大枠のストーリーもWeb版から変えてくるの??

というわけで、小説になろう/カクヨムで連載中のWeb小説の書籍化作品。「この世で一番の無能」というギフトを授けられた少年が、クリアしないと出られない(ただし神でもクリアできない)という悪趣味なダンジョンに閉じ込められたものの、ダンジョン内時間で10万年かけてクリア。神をも超えた超越者となったにもかかわらず、「この世で一番の無能」というギフトの名前のせいで侮られつつ、本人も弱いと思い込みつつ、無双していく物語。

一見最弱実は最強という設定はなろうでは良く見かけるのだけど、いやー、こういうぶっ壊れた主人公って、めちゃくちゃ好みなんですよ。敵対者は容赦なく残虐に殺していくスタイル。なろう読んでると、わりと殺人を忌避する作品もあるのだけど、無双させるなら、殺せ、殺せ、容赦なく殺せっ!! その無双の加減も、世界を統べる神すら軽く超えた強さなので、タイトルの「世界最強」がすげー違和感あるレベルで無双してるのが凄い。敵からみても味方からみても、主人公の気分次第という、あまりに理不尽さが酷くて、完全に理不尽な神の怒りを体現してるんだよな。

書籍版では加筆していて、どうもWeb版と違う展開になりそうなんだけど、そこはちょっと気になるところ。主人公カイの幼なじみ周りは、正直、リメイクするなら変えたくなるところだとは思うのだけど、展開が大きく変わると、それはそれで心配だなぁ。

[ 2022.01.31 ]