サリー&マグナム


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サリー&マグナム OF THE GENUS ASPHALT /てり

主人公がおっさん、ヒロイン?がおかま……。主人公が30歳のおっさんということでハードボイルド系かなにかと思ったら、むしろ、アホでテンション高いノリ。そして、仲間に対する熱い想いを抱きつつバトルを勝ち進む、少年漫画的な展開が素晴らしいっ!! いわゆる萌え的な要素をあえて避けたような内容だけど、わりと手堅くお約束なストーリーもいいねぇ。おもしろい。

そういうわけで、魑魅魍魎の類が見える30歳のおっさん・マグナムが、本業の空調設備の仕事をよそに、妖怪変化の騒動に巻き込まれる日々。と、ライトノベルを標榜してるわりに、主人公がおっさんで萌え要素なしというのが特徴な作品。ただ、その特徴のわりには、そんなに尖がってるわけではなくて、むしろ、お約束でオーソドックスな内容だよね。そして、そこそこエロチック。主人公のマグナムや相棒のサリーをはじめ、癖が強いキャラたちも、なかなか魅力的。てか、人外ばかりなので、まともなヤツがいねぇ。まあ、魅力的なキャラといっても、やっぱ萌え的ではないけどな。作者が四十五歳デビューなのを煽りに使ってるけど、さすが歳をとってるだけあるというか、新人作品としては、かなり手堅い印象。ただ、テンポはいいのだけど、その代わり、説明が足りなくて意味が取りにくい描写が目に付くのは、ちょっと新人作品らしいけど。

しかし、おもしろいんだけど、誰をターゲットにしてるんだ、これ(^^;。スタンダードなラノベ読者層ではないのは当然、はじめは、『タイガー&バニー』みたいに腐女子狙いかと思ったけど、腐女子受けするような内容じゃないよねぇん。45歳を売りにしてるわりに、そんなに大人向けという感じでもなくて、まあ、萌えに否定的な高二病っぽい層を狙ってる予感だけど、そこだけをターゲットにするには、ちょっともったいないよねぇ。

[ 2013.02.10 ]