近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係
-
エンターブレイン ファミ通文庫
近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 /久遠侑 -
この手のピュアな青春物語を読むといつも思うのだけど、えっと、主人公は、女の子にしろっ!! ほんと、男の微妙な心の揺れ動きを読んで、なにがおもしろいんだ? 主人公を語り部として、女の子たちを描くのであればいいのだけど、この『近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係』は、あくまで、主人公・健一の、まだ恋未満の淡い想いを中心に描いたものなのよな。そういう淡くピュアな感情を描くのに、少女でなく少年を使う感性が、まったく持って理解できん。男の揺れ動く心を読まされても、気持ち悪いだけだと思うのだけど。
……と、まあ、いかにも私には理解できない作品だろうなと思って敬遠してたのだけど、好きラノ で人気を博していたので購入。案の定だよっ!! ファミ通文庫が得意とする青春モノで文章力も高めなのはわからんではないのだけど、やっぱ、主人公が男で、なにがおもしろいのかさっぱりわからない。強いていえば、里奈の友人で眼鏡っ娘の星野さんのイラストだけだよ、見どころは。まったくもう、こういう作品を出すなら、主人公を女の子にしろ、女の子にっ!!
[ 2016.07.26 ]