東雲侑子は短編小説をあいしている


エンターブレイン ファミ通文庫
東雲侑子は短編小説をあいしている /森橋ビンゴ

無気力無関心に生きてきた高校生・三並英太は、図書委員会で東雲侑子と出会い惹かれていく……。と、恋愛に戸惑う思春期ならではの心情を丁寧に描いた作品なのだけど、えっと、ウジウジ悩む男の心情を読んでなにがおもしろいんだ? 心情を描くなら女の子だろう、女の子。東雲侑子の心情を描きやがれっ!!

好きラノ2011年下期 のトップになった作品だったので読んでみたのだけど、う~ん、恋愛小説は、恋に悩む女の子を描いてナンボだと思っているので、主人公の英太を中心に描かれたこの作品は、正直、ちょっとなー。いや、コメディに逃げるでもなく、恋愛にいたる心情を正面から丁寧に描いた作品は、ライトノベルでは稀有で、よく出来た恋愛小説だとは思うけれど、これは私の求めているものではない。や、少年向けライトノベルなら、男を書くな、女の子を書け、と強く言いたいなー。

[ 2012.01.16 ]