そばかすのフィギュア


早川書房 ハヤカワ文庫JA
そばかすのフィギュア /菅浩江

デビュー作「ブルー・フライト」を含む、菅浩江の初期作品を集めた短編集。う~ん、陰鬱な作品が多く、ちと好みじゃない部分もあったりして(^^;。

収録されている作品は 8篇なのだけど、その中で印象的だったのは、「雨の檻」と「そばかすのフィギュア」かしらん。「雨の檻」は、免疫不全のため無菌室から出れない少女シノと、そんなシノのために作られたアンドロイドのフィーのせつない話。予想通りにストーリーが展開するのだけど、壊れていく日常が怖くせつなく、そしてラストが、凄く印象的なのよなぁん。「そばかすのフィギュア」は、最新テクノロジーにより自在に動き感情まで再現されたフィギュアと、そのフィギュアをデザインし自らの想いを重ねる靖子とのせつない話。「フィギュア」というネタでオタク心をくすぐりつつ、きちんと綺麗でせつなく泣ける話になってるのよなぁん。……しかし、陰鬱でせつない話ばかりで、もちっと明るい話があってもいいと思うんだけどなぁ。

[ 2007.09.30 ]