呪の血脈


富士見書房 富士見ミステリー文庫
呪の血脈 /加門七海

はじめは妹萌え小説かと思ったのだけど、全然違うしっ!! ……もともと、他社からハードカバーで出ていたらしいのだけど、富士見ミステリーの内容としては不適だと思うし、それ以前に小説としての出来自体悪い。わざわざこんなもんを文庫にするなよ(^^;。

諏訪信仰を題材としたホラー? や、言いようもない圧迫感を感じさせる描写は上手いんだけど、文章と構成はすごく下手で、意味が取りにくく非常にちぐはぐ。特に構成面は酷く、宮地と高藤の二人の視点で進む展開も、どちらの視点で描くかの選択、その順序が、ちと考えなしすぎるかなー。あと、豊富な知識に裏付けられたっぽい内容なのに、リアリティが非常に弱いのも問題。博識を誇るだけで、全体に気配りが足りない、という印象なんだよなー。

[ 2004.06.23 ]