進化の設計者


早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション
進化の設計者 /林譲治

いやぁ、面白い。一見バラバラに見える 3つの事件と、それらの事件の裏に見え隠れする ID仮説を信奉するテロ集団、という感じで進むのだけど、サスペンス的に盛り上げる展開が、非常に面白かったです。ただ、序盤でスケールの大きい話を期待させてたにもかかわらず、読み進めると「あれ?あれれ?」という感じに、拍子抜けで肩透かしだったりもするので、そこは残念だったりもするのだけど。

2036年。技術の進歩により確実性を誇るようになっていた気象予報シミュレーションが台風の進路予想を外すようになる。一方、ジャーナリストの失踪事件や古生物学者の事故死の裏に、ID仮説を信奉する世界的テロ組織「ユーレカ」の影が見え隠れする。気象予報シミュレーションの不調の原因は? 「ユーレカ」は何をしようとしているのか? そして、人類の進化の謎とは? そこに神は関与しているのか? と言った内容。こー、いかにもスケールが大きそうな内容で読んでるときは確かに面白かったのだけど、読後感としては、ちょっと期待ハズレなんだよなー。小ネタは面白いし、伏線もきちんと回収されてて悪くはないハズなんだけど、どうにももやもや感の残るラストで、にんとも。

[ 2007.09.27 ]