インシテミル


文藝春秋 文春文庫
インシテミル /米澤穂信

米澤穂信なのに青春ミステリじゃなかったorz。や、ミステリファン向けにがんがんミステリネタをぶち込んだような内容なので、ネタの半分も分からない私には、正直、面白さも半減。どう見ても、濃いミステリファン向けの作品で、決して、つまらなかったわけではなかったけれど、しょぼん。

時給112,000円の破格のバイトに応募したら、それは、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を意識した参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった……。という感じの作品なのだけど、もうちょっと、ラブ展開なりエロ展開なりあるかと思ったら、マジにミステリミステリした作品でした。閉鎖空間の極限状態で美女と一緒で『淫してみる?』というタイトルなら、ふつー、エロだろ、エロエロっ!! がっかりだっ!! まあ、深夜の恐怖も読んでて怖かったし、謎解きのカタルシスも悪くはなかったけれど、やはり、物足りない感じが……。

[ 2010.06.20 ]