星とハチミツの存在証明
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
星とハチミツの存在証明 /藤八景 -
うわぁ、これは熱いっ!! めちゃくちゃ熱いっ!! いや、なんというか、あっちこっちの作品から、燃える要素をぶち込んで煮詰めたような作品。王道というか、どこかで見たことあるような設定と展開の数々が、ほんとに熱い、熱血ヒーローものだわ。ちょっと力量足りてないのが残念だけど、熱血少年バトル漫画的なノリが好きなら、マジ、おススメっ!!
そゆわけで、かつてヒーローだった母の背中を見て育った一番星光世。そんな母を亡くして11年、平穏な高校生活を送っていた彼の前に、何の前触れもなく非日常が訪れる……。と、超・王道学園バトルファンタジーと銘打たれた本作、どこかで見たような王道的な展開で、ほんと熱いねぇ。しかし、王道とはいえ、“存在の力”とか、直球で『灼眼のシャナ』すぎる予感なので、もちっと工夫したほうが(^^;。いや、ノリ的には、『シャナ』というより『禁書目録』の系統だったりするんだけど。
ただまあ、新人賞落選作品の拾い上げということで、ぶっちゃけ力量はまだまだ劣る印象。王道展開なプロットは悪くないのだけど、それをぜんぜん魅力的に描けてない。いちばん気になったのは、本来、紙幅を使うべき重要なシーンが流すような描写しかしてなくて、その代わり、どうでもいい書きやすいシーンばかりページを使ってるのんな。重要なシーンの描写をもうちょっと厚くするだけでも、ぜんぜん良くなると思うんだけど、たぶん力量不足でやりたくても出来ないんじゃないかなぁ、という残念な空気が漂ってるのが。ストーリーは悪くないと思うんで、次は、もちっと頑張って欲しいなぁん。
[ 2013.01.15 ]