ジパング
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講談社 モーニングKC
ジパング 全43巻 /かわぐちかじ -
1巻が99円セールだったので軽い気持ちで手を出したら、まさか全43巻だったとは……。本屋に行くこともなく、1クリックで続きが買えてしまうとか、Kindle怖い、マジ怖すぎる。2巻以降は普通の値段だったわけで、うわぁぁ、いくら使っちまったんだぁぁぁぁぁっっっ!!
いやまあ、一気にラストまで読んでしまうぐらいに面白かったんですけどね。内容は、現在のイージス艦が太平洋戦争にタイムスリップしたら?という仮想戦記もの。いやー、かわぐちかいじと言えば、『沈黙の艦隊』ぐらいは聞いたことあるぐらいの興味しか持ってなかったのだけど、ドラマチックなエンタメ展開を優先した作品作りに、ちとビックリ。もっと、リアリティを重視した説得力のある作風かと思ってたわ。や、いろいろと突っ込みどころ、多すぎね?(^^;。
とりあえず、角松を主人公に据えたのは、ストーリー構成上、完全に失敗だよね(笑)。タイムスリップしたイージス艦「みらい」副長・角松と、「みらい」に救助されて日本の未来を知ってしまった大日本帝国海軍少佐・草加を中心に展開するのだけど、えっと、角松って、物語の中心軸になるような目的や目標がない主人公なので、物語を動かすのに、無理やり対立軸を作って、どうしてもマッチポンプ的にするしかないのんな。物語の駆動装置として、作者に都合よく動かされるので、キャラクターの造詣も表面的になってしまってるのが無念。そもそも、角松と草加が対立する必要はないよなー。ストーリー的にそのほうが面白い、以外の理由が、ぶっちゃけないし(^^;。まあ、エンタメ重視で、ヤマトvsイージス艦、万歳っ!! とか、そういうのは、手に汗握って、めちゃ面白いのだけど。
ただ、やっぱ、キャラが薄っぺらい感が強かったのは、ちと残念。ラノベ並み、と言わないまでも、もうちょっとキャラの作り込みはして欲しかったよなー。
[ 2013.05.27 ]