楽聖少女


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
楽聖少女 /杉井光

ユキの両親がなにものか、わたし、気になりますっ!!

うわぁ、杉井光のお約束すぎるっ。杉井光らしい主人公と杉井光らしいヒロインが、杉井光らしい掛け合い漫才を繰り広げながら、杉井光らしい展開で進んでいくという、もう、杉井光らしさのオンパレード。ふんだんに音楽を取り入れているところも『さよならピアノソナタ』を彷彿とさせ、マジ、杉井光満載の内容ですげぇぇぇーーーーっ!! いや、杉井光作品は、どの主人公も性格が一緒というスターシステムを採用しているのは有名だけど、ヒロインも『神様のメモ帳』のアリスのツンデレな性格そっくりで、どこまでほんと、杉井光作品のいいとこ寄せ集めな作品だよっ!!

内容は、ふつーの高校生が、悪魔の仕業で200年前のヨーロッパにタイムスリップして文豪ゲーテとなり、ベートーヴェンら音楽家と交流を持つ、という話。っていうか、まさかのベートーヴェン女体化かよっ。ようは偉人女体化の歴史モノなのだけど、私は、ゲーテの著作どころかクラシック音楽や世界史も疎いのが、ちと残念。まあ、歴史関係なく、いつも通りの杉井光節を楽しむような作品だけど(^^;。そして、最後の手紙が、ベタなだけに泣ける(T-T)。まだまだ、謎も多く、今後が楽しみなシリーズです。

[ 2012.05.18 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
楽聖少女2 /杉井光

……『神様のメモ帳』の四代目と平坂組の組員たちが出てきたんですが(笑)。

いや、なんだかなおさら、『神様のメモ帳』と『さよならピアノソナタ』の二次創作っぽいノリになってきたな。杉井光ファン向けのファンサービスが過剰すぎる予感が(^^;。いや、一応、ベートーベン女体化の歴史改変モノというのがメインストーリーなのだけど、そっちのほうは、ナポレオンが無茶すぎて、もはや、改変どーこーではなくなってる予感。いやまあ、歴史改変という感じではなくて、ループものと言ったほうがいいんだろうけど。世界を改変したりする悪魔の謎は、気になるところだよなぁん。……それにしても、主人公のユキは、杉井光のいつも通りの主人公なのだけど、いつも以上にウザイ。創作に目覚めて、もうちっとマシになってほしいなぁ。

[ 2012.10.02 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
楽聖少女3 /杉井光

病に倒れるルゥに、プロイセンvsフランス軍の戦い。すげぇ。とにかく、伏線の張り方が秀逸で、計算された構成が素晴らしく上手いなぁ。ミヒャエル師といい、伯爵といい、うわぁ、うわぁ~~。

ベートーヴェン女体化という、わけのわからないところを狙ってきたシリーズの第三弾。今回は、ベートーヴェンといえば誰でも知ってるそういう展開なのだけど、それに悪魔の謎をきちんとあわせてきて、いやぁ、ほんと凄い。ナポレオン時代の激動のヨーロッパを舞台にしてるのも、凄いよな。そして、病床のルゥの可愛いこと可愛いこと。<をい。杉井光の主人公は、あいかわらずダメ人間なのだけど、ルゥといい、カールといい、周りの人は素晴らしすぎるよなぁ。ミヒャエル師を巡るカールのラストエピソードが、もう泣けるっ!! ミヒャエル師は、とにかく侠すぎるなぁっ!!

[ 2013.03.11 ]