MISSING


双葉社 双葉文庫
MISSING ミッシング /本多孝好

亡くした人に想いをはせるような、ちょっと切なくて哀しい 5篇の短編集。そつなく上手くセンスある文章で、割と多くの人にオススメ。や、作風や作品の方向性から考えると、私がオススメとか書くと、むしろ逆効果な予感もするけど(汗;。

5篇のうち、すごく良かったのが、「眠りの海」と「祈灯」。この 2篇は、とにかく素晴らしい。めちゃ好き。特に、幽霊ちゃん。上手いにょ~~。……って、ごめんなさい、でも、他 3篇は、正直、いまいちでした。「彼の棲む場所」が端的なのだけど、この作者さん、わりと心の暗い部分を書こうとするのだけど、その部分については、あんまり上手いと思わなかったり。や、好みの問題という話はあるのだけど、他の部分の上手さに比べて、ちと工夫がないという感じ。

しかし、本屋さんで、新刊コーナーで売ってたのに、出たの半年以上前だったり(<思えば、店員さんのオススメ、という感じの扱いだったんだけど)、ミステリーとして扱われてるのに、ほとんどミステリー的な要素がなかったりと、なんだか、微妙に騙された感じもしたりして(^^;。<や、おもしろかったのでいいけど。

[ 2002.08.23 ]