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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
雨の日のアイリス /松山剛 -
最高傑作級。哀しく残酷で、そして、暖かい話。主人公のロボット・アイリスの運命が、とにかく衝撃的だった。あざとい物語が、とにかく泣けるっ!!
“一見するとただのスクラップとしか思えないこのロボットだが、かつては人間の家で働き、主人に愛されて幸せに暮らしていた”という冒頭が全てを現しているのだけど、正面から泣かせにかかる、あざとく切ない物語。幸せに暮らしていた可愛い女の子ロボットのアイリスに待ち受ける運命が、衝撃的で凄い。凄すぎる。とてつもない絶望すぎる。やがて登場する二人のロボット、リリスやボルコフを含め、心のある存在として描写されながら、あくまでモノでしかない存在の哀しく残酷な展開が秀逸。そして、哀しい境遇のロボットたちの暖かな交流が、もう、琴線に触れまくりで泣ける。いやぁ、ほんとに綺麗でいい話でした。
[ 2011.05.17 ]