第六大陸
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早川書房 ハヤカワ文庫JA
第六大陸1 /小川一水 -
2030年辺りを舞台に、日本の大手ゼネコンが月に建物を造ろうとする話。なんといっても、中高生相当の天才少女と、大手ゼネコンの若い技術者との恋愛ですよ。そのヒロイン、妙ちゃんが、とにかく美味しいのですよ~~。萌えを意識しつつ、きちんと裏もあって、特に後半の見せ方がぞくぞくで、さいこー。すばらしいー。
で、SF としても、それなりに実現可能な感じで、なかなかにぐぅ。中国の基地での一連の出来事とか、すごく良い感じ。ただ、小川一水の他の作品『導きの星』でも思ったのだけど、所々、安直で、単純に思える部分があるのが、ちと残念。特に、未来の日本の描写とか、ロケット絡みの話とか、もうちょっと緻密な考察が出来なかったのかなー。
[ 2003.07.17 ]
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早川書房 ハヤカワ文庫JA
第六大陸2 /小川一水 -
妙ちゃんの活躍がねぇーーーーーっ!! ……20才を超えたら、用済みですか? ひどいっ!!
そゆわけで、天才少女でお嬢様な妙ちゃんが、月面基地を作る話の下巻。帯によると、一応、ハードSFですか? や、現在の科学技術+αで、きちんと、月面基地を作り終えるまで描ききったのは、やっぱりロマンだよね、ほんと、おもしろかった~~。<まあ、技術面では、前巻でほとんど解決しちゃってたのが、そこら辺、ちと残念ではあったけど
でも、「月面基地を作るとしたら、あんなことやそんなことが起こって大変だー」ということが書きたかったんだろうケド、それ以外の部分は、ホントにいい加減でまともに書いてないのは、すごい割り切り方だよなー。や、月面基地を作るのに、いろいろ問題が発生するのだけど、そのどれも、解決編は陳腐でいい加減だし、人物ドラマに関しても、妙パパとの確執も、走也との関係も、一応、ストーリーの中核なのに、描写はクソ(苦笑)。本筋でさえそうなのだから、キャロラインを代表とする NASA の扱いなんて、いや~、もう、爆笑。<をい ……人物ドラマなんて、作者にとっては、どうでもよかったんだろうケド、ここまで酷くていいのか。<いいんだけど(^^;
[ 2003.09.01 ]