クロス・エデン
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
クロス・エデン1 魔法王国ミシュリーヌ編(前) /吉野匠 -
ロリ担当のお隣りの小学生、月渚ちゃんは、いったいどう絡むんだ?<をい。ありがちなオンラインゲームものかと思ったのだけど、予想以上に面白く、掴みはO.K.。とにかく謎をばら撒きまくってるので、どう収束させていくのかが、いまからすごく楽しみですっ!!
家に帰ると、ゲーム世界の住人のはずのセシル王女が……、という感じで始まる VRMMOモノ。VRMMOモノというと、ゲーム世界と現実世界の境界があいまいになるのがお約束なわけだけど、この作品はゲーム世界に入り込むのではなく、ゲーム世界のNPCが現実世界に出てくるという内容。まあ、ある意味、王道的なファンタジーという感じかしらん。まずは序章というところだけど、謎を散りばめて、上手く読者の興味を引かせる展開が、ぐいぐいと読ませる読ませる。いやぁ、まずはおもしろくて一気に読みきってしまったけれど、ただ、いかにも続き次第だよなぁん。下手すると面白かったのははじめだけ、みたいなことになりそう(^^;。二ヶ月連続刊行ということなので、続きは来月か。楽しみすぎるっ!
[ 2012.07.26 ]
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
クロス・エデン2 魔法王国ミシュリーヌ編(後) /吉野匠 -
後編、やけにハーレム色が強くなったな(^^;。そして、敵役の魔導師・バルドールが切ない。いや、ちとネタばれかもしれないけど、いきなり飛ばされた異国の地で、サラリーマンとして何年も何年もコツコツと働き、それでも望郷の念は捨てきれずに、やがて故郷に似せた風景をゲーム上に再現する……。只でさえ慣れないことが多く戸惑うことの連続だっただろうに、その上、ゲーム開発のチーフマネージャとして一定の成果を出すなんて、下手にその大変さが想像できるだけに、もう、切なすぎて泣けてくる(T-T)。そんなに大変だったら、経理に小言も言いたくなるよな。てか、大魔導師が、普通のサラリーマンと同じように、嫌味しか言えないところが、また泣ける。
それはともかく、あれだけばら撒いた伏線をどう収束させるのかと思ったのだけど、わりと力技で終わらせた感が強いな。想像よりもスケールも小さかったのも、ちとがっかり。なにより、謎を明かしていく過程もかなり駆け足で、しかも、行動を伴うでなく会話中心なのもマイナスよね。や、ハーレム展開は好きなのだけど、篠崎や月渚がらみも展開早く、うーん、もう一冊分ぐらい使った方が良かったんじゃないかな。いや、十分面白かっただけに、ちょっと残念感漂う後半でした。一応、綺麗に終わってるけど、続きは出ないのかしらん?
[ 2012.08.15 ]
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
クロス・エデン3 遺された復讐者編 /吉野匠 -
なにがやりたかったのか、正直、わからん。上下巻で綺麗に纏まっていたところを、人気が出たので、仕切り直して長期シリーズ化というパターンだと思うんだけど、それにしては、続編への仕込みをしてるわけではなく、もちろん、やり残しの消化というわけでもなく、ぶっちゃけ、キャラがドタバタしてるだけで、内容がないんですけどぉ~。
オンラインゲームのキャラが現実世界へ、というシリーズ三冊目。バンドールを倒し平和な世界を取り戻した浩介たち。しかし、バンドールは消滅前に仕掛けを……。と、ラスボスの意思を次いだ新しい敵が来襲というパターンでの続編なのだけど、所詮、新しい敵は全てでバンドールに劣ってるしなぁ。てか、さっさと倒しちゃって、せっかく続けたこの先、どうするのよ?(笑)。なにしに出てきたかわからない敵だったけど、うーん、新ヒロインを連れてくるためだったのかなぁ。でも、ハーレム展開方面も、記号的なドタバタしてるだけで、まともに恋愛を扱う風じゃないんだよな。これじゃ、いまさら恋愛メインは無理だろう。……何にも考えずにとりあえず続けてみました、という感じの中身のない内容で、ホント、なにがやりたかったんだろう。
[ 2012.12.20 ]