カスタム・チャイルド


メディアワークス 電撃文庫
カスタム・チャイルド /壁井ユカコ

ありがち感の強い内容だし、そのありがちな中でも好みではない結末だったのだけど、それでも、壁井ユカコ、めちゃくちゃ巧いや。ほんと面白かった。『キーリ』もそうだけど、非常にセンスの良い作品だよね。

そゆわけで、ボーイ・ミーツ・ガールで、妹ラブな内容。各シーンがとにかく硬質でカッコ良く、そして印象的に描写されていて、非常に巧し。ほんと各シーンは秀逸なのだけど、ただ、構成面では、多少ちぐはぐな部分がある予感。あと、こういう構成なら、もっと脇役にも光をあてるべきだと思うのだけど、そこら辺は、続編なのかしらん?

[ 2005.04.18 ]


アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫
カスタム・チャイルド ―罪と罰― /壁井ユカコ

病んだキャラの陰鬱な描写が素晴らしいのは、さすが、壁井ユカコ。ただ、“遺伝子工学分野だけが極端に発達してしまった仮想現代”という設定なのだけど、その「遺伝子工学」の説明が、ちょっとツッコミどころが多く、酷すぎる。や、社会制度の設定なんかも、ムリありすぎだろ……。

1巻で打ち切りと思われていた『カスタム・チャイルド』が、メディアワークス文庫でまさかの再スタート。いやまあ、舞台を同じくしているだけで、登場人物は違っているわけだけど(^^;。と、病んだキャラと歪んだ世界観は、いかにも、壁井ユカコの真骨頂なのだけど、すみません、生物学科出身で遺伝子とか齧ってた私には、どうにも違和感ありまくりな設定で、まともに読めないわ。せめて、仮想現代じゃなく、バリバリのファンタジー世界にしてくれればいいものを……。

[ 2009.12.28 ]