GJ部


小学館 ガガガ文庫
GJ部 /新木伸

『生徒会の一存』『ラノベ部』『はがない』と言った4コマ漫画のような日常系ラノベのヒットを受け、さらに徹底して4コマ漫画らしさを目指した作品。や、作者のその実験的な意欲は買うし、きちんと作者の目指すゆるふわな4コマ小説に仕上がってるとは思うのだけど、……ダメだ。根本的に間違ってると思う。

いや、ここまで4コマ漫画らしさを目指すなら、素直に、漫画にしろ漫画に(^^;。各話4ページ、36本のショート・ショートは、そう、きちんと4コマ漫画らしい感覚で読めることは読めるんだけど、4コマ漫画は、やっぱり絵のついている漫画だからこそあの短さでも十分に楽しめる情報が詰まっているのであって、小説として楽しむには、いろんなものが足りてない。各話最後に5コマ目としてイラストを挿入してるので、それでなんとか持ってはいるけど、メディアの特性を考えずに、4コマ漫画をそのまんまライトノベルにベタ移植しても、そりゃダメだろ。

しかし、かつてあの名作『星くず英雄伝』を生み出した新木伸が、ブームにのって人気作品の後追いかぁ。時の流れを感じるなぁ。

[ 2010.03.25 ]