ヘルモード


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ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~ (1) /ハム男

ライトノベル人気投票「好きラノ」1位。「小説家になろう」に掲載されているWeb版はこの年末年始に一通り読んだのですが、せっかくなので書籍版も読んでみました。書籍版には書下ろしの短編がついてきます。

作品の内容ですが、タイトルの「ヘルモード」は難易度が選択できるゲームの最高難易度のこと。やり込み好きのゲーマーがゲーム世界に転生。最高難易度を選んだため成長率が通常の100分の1、しかも、選んだ職業のせいで身分社会の底辺・農奴スタートと、逆境すぎる状況からの異世界転生という作品です。

で、この作品、なにがおもしろいって、やっぱ主人公が”やりこみ好き”ってところで、徹底的にゲーム世界の仕様を解析し最適なパラメータを見極めながら、ゲーム世界を生きていく展開ですね。効率厨というほどではないんだけど、最適なレベルアップの方法を見極めてプレイ進めるのだけど、それでも「ヘルモード」なのでレベルアップに年単位でかかるという、どんだけ愉快な展開だ。主人公が選択した召喚士という幅広くパラメータ調整可能な職業が、”やりこみ好き”という要素と非常にあっていて、めちゃくちゃ面白いっ!!

ただ、逆境スタートという点に関しては、結局チートじゃねーか!! と思わなくはない(^^;;;。いや、いくらゲームを解析して効率的に経験値を貯めてるといったってさー、成長率100分の1でチートできちゃうのはCPUのアルゴリズムがバカすぎるだろ。CPUがバカなゲームは基本クソゲーだぞ。さらに農奴スタートにもかかわらず子供時代の環境が恵まれすぎてるんだよね。あれだけ恵まれてるんなら、農奴設定はむしろないほうが良い。そういうわけで、「ヘルモード」という点については、ほとんどタイトル詐欺になってしまっていて、そこは残念だなー。

[ 2021.01.14 ]