カナスピカ


講談社 講談社文庫
カナスピカ /秋田禎信

うわぁ、とにかく綺麗な青春物語だ。人付き合いの苦手な少女が、宇宙人に作られた地球観測衛星と出会い、その地球観測衛星を手助けする過程で恋をしさまざまな人と触れ合い、少しだけ成長するような青春物語。優しく温かみのある物語をベースに、みんなどこかズレている登場人物たちのコミカルなやり取りが楽しい内容です。

というわけで、『魔術士オーフェン』(→感想) の秋田禎信の初ライトノベル越境作品。変にコミカルな部分はあるものの、かなり真っ当な青春物語で、『オーフェン』と比べると、わりとエッジを抑えて読みやすく書かれてる印象。地球観測衛星カナスピカと生きるのに不器用な中学生、加奈を中心に、人と人との心の交流を描いた、全体的に優しさを湛えた内容が、すごくピュアで綺麗でいいね。1冊に綺麗に纏まっていて、ほんと良かったです。

[ 2010.08.25 ]