彼女は帰星子女


メディアワークス 電撃文庫
彼女は帰星子女 /上野 遊

面白かったっ!! いやぁ、とにかくベタ、めちゃくちゃベタ。全くタイトル通りのそのまんまの内容なのだけど、だからこそ面白かった。まあ、好み的には、もちっとラブ方面に振って欲しかったというのはあるんだけどさ。

新人作品。新人賞落選からの敗者復活かしらん? 内容は、美人で高慢なヒロイン(宇宙人とのハーフ)が地球に里帰り、主人公の家に同居することで巻き起こる騒動、といった感じ。とにかく、ストーリー展開はお約束で非常にベタ。お約束なだけにきちんとツボは押さえているし、筆力も新人にしてはそこそこなので、十分に面白かった。ただまあ、好み的にも構成的にも、もちっとラブ色を強めないと生きてこないシーンとかもあるんだけど、そこら辺は、今後に期待かなー。

[ 2005.10.18 ]


メディアワークス 電撃文庫
彼女は帰星子女2 /上野 遊

う~~ん、きちんと伏線を考えて構成が練られているような部分は評価に値すると思うのだけど、いまいち恋愛モノ向けの演出になっていないのと、ちょっと無駄な部分が目に付くのがマイナス。……というより、この作者の人、こういう文体と作風なら、恋愛モノ以外の作品を書いた方がいいんじゃ。

そゆわけで、宇宙人(ハーフ)の福山絹と一緒に暮らすことになった芹沢望。二人の暮らす掛橋市を豪雨が襲い……、という話。きちんと意味を考えて丁寧にイベントを配置して形作られるストーリーには好感が持てるのだけど、ただ、その組み立て方が、恋愛モノのソレじゃないのがなぁ~~。いや、設定やストーリーに意識の大半が向いている予感で、人物の描写や見せ方とか、恋愛モノとしてのイベントの取捨選択が、どうにも甘いのよね。作風と内容があってない感じなのが、どうにも残念。

[ 2006.03.20 ]