魔王な使い魔と魔法少女な
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集英社 スーパーダッシュ文庫
魔王な使い魔と魔法少女な /みみとミミ -
これはおもしろいっ!! なんといっても、キャラがいいよねぇん。自称魔王なおさんどん少女・リノをはじめ、魔法少女を追う眼鏡っ娘な記者・母里さん、主人公の前だけではクール系のほんわか少女のなぐまんに、天然系の先生・音子姉。もちろん、魔法少女な主人公・ミズキも加えて、これらのキャラの掛け合いが非常に楽しいっ!! そして、多少、とっ散らかっていて読みにくい部分はあるのの、その読みにくい部分も含めて、あえて癖を残しただろう文章が、新人らしく生き生きと楽しくて、いいねぇ。
そゆわけで、昨年のスーパーダッシュ小説新人賞選外からの拾い上げ作品。「好きなライトノベルを投票しよう!! 2012年上期」で そこそこ票を集めていたので読んでみたのだけど、いい意味で新人らしい作品でおもしろいおもしろい。なんといってもキャラ同士の掛け合いが楽しい。タイトル通り、一応、魔王と魔法少女の話ではあるのだけど、むしろ、リノとミズキの日常的なやり取りや、学校の部活を中心とした部分がいいのよ。まあそもそも、魔法少女はともかく、魔王である必要はぜんぜんない気はするけど(^^;。面白さのベクトルは、最近流行の謎の部活動系日常モノのコンテキストだよな。ほんとキャラが楽しく、なぐまんもリノも可愛いなぁ。
[ 2012.09.05 ]
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集英社 スーパーダッシュ文庫
魔王な使い魔と魔法少女な 2 /みみとミミ -
うーん、終盤はやっちゃった感。唐突で中二的な展開が、いかにも素人の失敗作的な感じで酷い。力量もセンスも足りないなら、下手に病的なエッセンスは入れないほうがいいと思うんだけどなぁ。
それはともかく、ヒロイン・リノの扱いがヒデェ(^^;。まるで家に居場所のない単身赴任のお父さんのような扱いっ!! いや、一応、1巻で完結するような話になっていたので、2巻の続け方に苦慮した結果だとは思うんだけど、だからといって、ふつー、そういう続け方は考えないだろっ!! 笑った笑った、素晴らしい。……リノがそんな扱いなので、今回は、なぐまんがメインヒロイン化で、なぐまん妹も登場。相変わらず、魔王部を中心とした学園ラブコメの部分は面白く、魔王と魔法少女もいらないんじゃね? やっぱ、なぐまん、可愛い~~。この作品、ほんと、キャラが魅力で会話がすごく楽しいっ!!
そこまでやったら、ラストまで魔王も魔法少女も出さないような展開で進めろよっ、って思うのだけど、ほんと終盤が残念すぎて無念。そこで、その美衣の過去は重くてバランス悪いし、魔法少女復活も唐突すぎる。いやまあ、作り手側から見たら、ふつーの学園モノでは物足りなく感じたのかもしれないし、さすがに魔法少女を出さないとタイトル詐欺、と思ってしまったのかもしれないけれど、あまりに酷い出来に、ちょっとなー。ほんと、もったいない……。
[ 2012.09.07 ]