魔導具師ダリヤはうつむかない


KADOKAWA MFブックス
魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ (1) /甘岸久弥

ヒロインの眼鏡っ娘が、早々に眼鏡をかけなくなったorz。

眼鏡をかけなくなったのはショックなのだけど、気になるのは、この世界の眼鏡っ娘、いや、眼鏡の扱いはどうなってるんだ?ってこと。神殿に行けば近眼も治療できる世界で、眼鏡がそこまで安くなさそうな時代だと、眼鏡って、視力補正用の道具というよりある種のステイタスアイテムだよな。にもかかわらず、眼鏡を外すと美人になる的な扱いになっているのはいったい。どう解釈すればいいんだぁぁぁぁっっっ!!

まあ、眼鏡はともかく、もともと、「好きラノ2019上」の結果を見て気になったので購入したのですが、非常に良質な女性向けのライトノベル。結婚前日に婚約を破棄され仕事に打ち込んでいくヒロインの物語です。婚約破棄直後にもかかわらず、貴族の美男子と意気投合し「友人」として恋人未満の良い雰囲気を醸し出していく、その関係性が良い。元婚約者のその後も、単なる「ざまぁ」ではなく、せつないすれ違いを感じさせる内容なのもGood。もともと、「小説家になろう」連載のいわゆるなろう系らしく、異世界転生の知識チートな作品でもあります。発売日は約1年前ですが、順調に続きも出ていてコミカライズもされているようなので、続編も楽しみ。

[ 2019.11.26 ]


KADOKAWA MFブックス
魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ (2) /甘岸久弥

結婚前日に婚約破棄された主人公が、前世の知識を生かし仕事で活躍していくシリーズの第二弾。女性主人公が恋人未満のかっこいい男性と微妙な関係を続けつつ仕事に邁進するストーリーは、その丁寧な心情描写も含めて、オーソドックスな女性向けなライトノベル。前世の知識を活用して新しい商品を開発していくのは、アニメ化した『本好きの下剋上』を思い起こさせるな。『本好きの下剋上』のマインと違って、こっちの主人公のダリヤは、新しい道具を開発する職人なので、前世の知識の生かし方がよりストレートだよね。『本好きの下剋上』の商品開発パートが好きな人には、めちゃくちゃおススメ!!

ただ、水虫……。部隊とのやりとりをはじめネタとしては楽しいのだけど、異世界で異なる生態系が構築されているのに、白癬菌がいたり同じ治療法が通用するのはちょっとないだろ(^^;。軽くコミカルな作品なら気にならないんだけど、描写とかはわりと丁寧な作品なだけに、リアリティ的な部分でちょっと引っかかるところがあるのが……。

ダリヤの相手役となるヴォルフとの恋愛未満の関係も素晴らしいのだけど、恋愛方面に関しては、このまま進展らしい進展もないまま続くパターンかしらん。恋愛よりも立身出世のほうがガンガン進んでいきそう。食事や料理の描写が細かいのだけど、やっぱイタリアンレストランみたいな方向には進まないのなー。

[ 2019.11.29 ]


KADOKAWA MFブックス
魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ (3) /甘岸久弥

婚約破棄されたヒロイン・ダリヤが、前世の記憶を生かして職人として活躍していくシリーズ第三弾。うわっ、ヴォルフとの身分差を埋めるように出世を目指す……、そういう方向で行くのかぁぁぁぁぁっっっ!!

働く女性が男性社会で活躍してくというと『彩雲国物語』を思う浮かべる人が多いと思うのだけど、『彩雲国物語』の秀麗のように、このダリヤも庶民から男爵、侯爵と、相手と並びたてるように出世を目指していくと、そういう方向に進むのかしらん。ダリヤの親は一代限りとはいえ男爵だし、ヴォルフも王族というわけではないので、そこまで無茶な身分差ではない気もするけどな。まあ、物語の終着点がいままで見えなかったので、きちんと立身出世でのゴールが設定されたのは物語構成としては悪くない。ダイヤとヴォルフの仲は、相変わらず、進展がないけど(^^;。

ヴォルフに関しては、えっと、お兄様がやけにブラコンなんですけど、今後の、グイードお兄様の活躍に期待しています。<をい

[ 2019.12.02 ]