幽霊列車とこんぺい糖


富士見書房 富士見ミステリー文庫
幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ /木ノ歌詠

ストーリーよりも雰囲気重視な内容で、確かに、雰囲気は素晴らしい。素晴らしいのだけど、どうにも微妙な感じが否めないんだよなぁ。

列車へ飛び込んで自殺しようと駅に向かった海幸。しかし、町唯一の鉄道は、いつの間にか廃線になっていた……。という感じで、生に倦み自殺を考える少女・海幸と、その自殺に手を貸すという若手芸術家の少女・リガヤの一夏。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や寒天ゼリーといったアイテムの使い方が非常に上手い。ただ、雰囲気の形成を、そこに頼り切ってる部分があって、本来ベースにあるべき、海幸とチコちゃんの家族関係や、閉塞感のある田舎という生活環境の描写が弱いんだよなぁ。そこら辺の描写が厚かったら、もちっと良かったのになぁ。

そいえば、映画は疎いのでアレだったのだけど、作品内で使われている『ダンサー・イン・ザ・ダーク(→Amazon)』って、実在するのんね。

[ 2007.10.18 ]