NO CALL NO LIFE


角川書店 角川文庫
NO CALL NO LIFE /壁井ユカコ

最高傑作級。なんと痛々しくせつない……。

兄代わりの従兄弟・航佑が好きな有海は、航佑の友人で悪い噂の絶えない問題児・春川と出合う……。という感じで、傷を舐めあうように刹那的生き、堕ちていく二人が、なんとも言えず、痛々しくせつない。特に、事件以降の展開が圧巻で、そして、続くエピローグが泣かせる泣かせる、感動的。いやまあ、若さに任せた刹那的な二人の生き方は、むしろ反感を覚えるぐらいで、けっして好みではないんだけど、とにかく、痛々しい。やっぱり、壁井ユカコの切れるようなセンスとそれを裏付ける筆力は素晴らしいなぁ。

[ 2009.11.18 ]