レインレイン・ボウ


集英社 集英社文庫
レインレイン・ボウ /加納朋子

うひ~~。そういうラストを描きますかぁ~~。や、元高校ソフトボール部の先輩後輩という繋がりを軸に、25歳を中心とした7人の女性たちの生き様を描いた作品。個々の短編で悩みやトラブルを乗り越えていく女性たちを生き生きと描きつつ、全体で一つのミステリーと仕立て上げる様は、さすが、加納朋子、巧いなぁ~~。

高校卒業から7年、久しぶりのソフトボール部部員たちとの再会は、当時の友人、牧知寿子の通夜の場だった。25歳になったソフトボール部の仲間たちは、主婦、編集部員、保母、看護士、プー、管理栄養士、OLと、それぞれに悩みながらそれぞれの人生を懸命に生きていた。……という感じで、仕事を覚え人生の軌道が定まりつつある25歳の女性たちを描いた作品。こういう感じの話だと、結婚が現実的になってくる20代後半がセオリーかと思っていたのだけど、就職から3年、仕事に生きがいを見い出し始める25歳と設定したところに作者の意図を感じますなぁん。加納朋子らしい、非常に味のある人間ドラマに仕立ててあって、とにかくグッド。とくに気に入ったのは、悪条件の社員食堂で奮闘する「雨上がりの藍の空」かしらん。

しかし、キャプテンの片桐陶子は、『月曜日の水玉模様』の主人公と同一人物ですかー。言われないと、絶対気づかないぞ、ソレ(^^;。

[ 2006.10.28 ]