繰り世界のエトランジェ
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角川書店 スニーカー文庫
繰り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット /赤月 黎 -
むちゃくちゃおもしれぇーーーーっっっ!! 頭の悪い(注:誉め言葉)キャラたちが、非常に楽しいっ!! めちゃ楽しいっ!! ツンデレ属性なカタナとメイド少女の冥がすげー可愛い。そして、裸に剥くのが得意な主人公って、あははははははっ。……ただ、新人の中でもかなり下手で、クオリティも酷いレベルだと思うので、好みに合わないと酷い評価にしかならない予感もするけど(^^;。
そゆわけで、第11回スニーカー大賞《奨励賞》受賞作。人を自由に操ることの出来る“糸遣い”の主人公・透真は、突然失踪した母親を探すため、異能者たちが暗躍する世界へ足を踏み込む、という内容。「あそこでああ書いたのにここでこう書くのは演出&設定&構成的にどうよ?」と思える部分がそこかしこにあって、つまりその場その場でそれっぽい文章を書いてるだけで他のシーンを考慮したような書き方になってないので、完成度はすげー低いんだけど、いやぁ、とにかくキャラのやりとりが楽しいわぁ~。まあ、キャラも主人公辺りは描写が一貫してないので、やっぱりここでも作者の力量不足を感じるんだけど、そういう理屈抜きに、ほんとキャラが非常に楽しいっ!! こういうキャラがバカやってる作品はすげー好きです。続刊もきちんとあるみたいなんで、今後の成長にめちゃ期待っっっ!!
[ 2007.07.31 ]
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角川書店 スニーカー文庫
繰り世界のエトランジェ 第二幕 偽りのガジェット /赤月黎 -
びみょ~~。とりあえず、素晴らしかったキャラのやりとりが減じてしまい、魅力は半減以下。その上、行き当たりばったりのくせに、勢いが弱く盛り上がりのない展開はダメダメ。……まあ、新人らしい荒削りな魅力は健在ではあるものの、もともと作者の技量が酷かったのが、なおさら目立つようになってしまったのがなぁ。
そゆわけで、糸遣いのシリーズ第二弾。母の手がかりを求めて本家に赴く透真と冥。しかし、あるハズの本家の家屋敷は影も形もなく、そして、待ち構えていた「山田太郎」に捕らえられてしまう……。と、「山田太郎」のインパクトと、ラストの展開&引きは面白いのだけど、それ以外がなぁ。もともと力量不足が目立つ内容だったのが、二巻になって、なおさら酷いことに。頭の悪い場当たり的な展開でもいいのだけど、それならそれで、無駄に盛り上げたり強引に勢いで魅せてくれないと。荒削りな魅力は好きなんだけど、続きを買うかは、ちと考えちゃうなぁ。
[ 2008.02.05 ]