征服娘。


集英社 スーパーダッシュ文庫
征服娘。 /神楽坂淳

めちゃくちゃおもしろいっ!! 十三歳の少女が権力を目指すという話なのだけど、わりとガチに権謀術数を巡らす、政治と経済な内容。といっても、あくまでライトノベルらしく、きちんとキャラクター小説としても魅力的に仕上げてあって、非常に面白かったです。

女性というだけで社会で冷遇される時代。名門貴族の娘・マリアは、自分の才覚を持って権力の座を掴むという野望を抱いていた……。というわけで、中世ヴェネツィアを舞台に、十三歳の少女が野望に向かって歩き出す、という話。一族の間でも気の抜けない駆け引きと交易による闘い。きちんと時代背景を調べ上げた上で書かれた、頭脳戦による闘いが描かれていて、いやぁ、ホントにおもしろい、おもしろい。まあ、交易ネタで、紅茶、チョコレートというのは、ちょっとベタかな? 終盤の駆け引きも、ちょっと無駄が多いわりに説明不足でわかりにくい予感。そもそも、好み的に言えば、もっと権謀術数をメインにしたハードな話の方が良かったんだけど、まあ、仕方ないか。その代わり、女性キャラは生き生きしていて、女の子メインのキャラクター小説としても、十分面白かったです。

それにしても、マリアが世界を掴むまでには、かなり先が長いと思うのだけど、いったい、どうするつもりなんだろ。それ以前に、正直、続きが出るのか疑問だったりする内容だったりもするけど(^^;。

[ 2008.02.08 ]