世界のキズナ


角川書店 スニーカー文庫
世界のキズナ(1) 混沌な世界に浮かぶ月 /有澤透世

面白い、むちゃくちゃ面白い。素晴らしいボーイミーツガールですっ!! や、オーソドックスなストーリーラインを、きちんと丁寧に仕立て上げた傑作。さらに、表面的には変に見えるのに、SF的な設定やキャラクターも、その骨格はしっかりと作ってあって、とにかく非常に好感触っ!!

「第8回角川学園小説大賞≪奨励賞≫」。ヘンテコな世界で生きる情けない主人公が、ある調査で地球にきた可愛い娘に頼られて頑張っちゃう話。表面的にはほのぼのとした変なセンスで、けれど骨格は、丁寧でしっかりとしたオーソドックスな作りが最大の魅力。ほんとにほんとに、良質なボーイミーツガールですっ!!

……しかし、この話だけで綺麗に終わってるのに 1巻となっているのが、めちゃくちゃ不安なんですけど(^^;。

[ 2005.10.05 ]


角川書店 スニーカー文庫
世界のキズナ(2) 桜舞う世界で微笑う君 /有澤透世

ダメ。1巻が綺麗に終わっていたので「どうするんだ?」と思ってたのだけど、続編という点で言えば、最悪に近い出来だと思う。単なる前巻の縮小再生産。しかもコレ、1巻発売時にはすでに続刊が決定していた作品なんだよね。単巻のつもりが大人の事情でムリヤリ……、ということなら仕方ないとも思うのだけど、はじめから続編書く予定で、この内容は酷いだろ。

そゆわけで、再び混沌世界が発生、前巻同様なんとか解決する、という話。基本のストーリーラインが前巻と同じな上、むしろ前巻の内容が足枷になっている部分が大きく、縮小再生産的な感が否めない。一応、沙織の元カレや新しく女の子キャラを追加してはいるのだけど、十分に生かせてるとはいえないしな。後半はそれなりに良いシーンもあるのだけど、やっぱり全体にマイナス面ばかりが目立つ。……しかも、またもや続刊に繋げるような要素が見当たらないのだけど、どうするつもり?これで終わりなの?

[ 2006.03.13 ]