戦塵の魔弾少女


宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
戦塵の魔弾少女 魔法強化兵部隊戦争記 /雨澄碧

うわぁ、凄く鬱い話だ。身寄りのない少女たちが、洗脳のうえ人体改造されて、そして戦場に投入されて死んでいくという、そんな救いのない内容。とにかく読んでてツライ展開で、にもかかわらず、イラストが可愛くて、このギャップが非常に素晴らしい。この内容で、このイラストのチョイス、よくわかっているわ~~。

ただ、切れ味は、正直、悪いかなー。いや、こういう作品は、キャラへの愛着を十分に読者に持たせた上で、そのキャラを殺していくのが肝だと思うのだけど、キャラへ愛着を持たせるには、描写がぜんぜん足りてない。その上で、無駄なシーンが削りきれていないのも気になるなー。コンセプトがはっきりしてるので、なにを書いてなにを省けばいいか、凄くわかりやすいと思うのだけど、にもかかわらず、その取捨選択がぜんぜん甘い。新人賞落選組からの拾い上げということなのだけど、こういうわかりやすいコンセプトの素直な作品だと、ちと力量不足な部分が見えてしまった感がするなぁ。

[ 2015.05.07 ]