白奈さん、おいしくいただいちゃいます


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
白奈さん、おいしくいただいちゃいます /似鳥航一

うーん、微妙。個性的なキャラとそのキャラたちの掛け合いはおもしろいのだけど、肝心の料理+ミステリという構成は無理がある予感。ミステリ風の作品がやりたいなら、素直に、『探偵部』で良かったんじゃなかろうか? ラブコメがやりたいなら、わざわざ料理に謎説きまで組み合わせる必要ないよねぇ。

というわけで、『はい、こちら探偵部です』(→感想) の似鳥航一の新作。美味しい料理で事件を解決する「料理事件部」のボス・本間玄人が、謎の事件を解決していくミステリ風ラノベ小説。とりあえず、タイトルは「白奈さん」だけど、白奈さん、ほとんど活躍しねぇ(^^;。あくまで探偵役は玄人で、ワトスン役は幼なじみの未百合ちゃん? や、玄人が好きすぎて困った性格の未百合ちゃんがなかなか楽しい。未百合ちゃんに限らず、個性的なキャラの掛け合いは、ほんとに楽しい楽しい。

でも、肝心のストーリーはなぁ。もっとぶっ飛んだ展開を期待してたのだけど、わりときちんとミステリをしようとしてる風で、ただ、ミステリに料理を混ぜるのは、ミステリとしては不純物の混ぜすぎで微妙だし、コメディとしては、ちょっと弱いよなぁ。もっと、変なものとの組み合わせじゃないと……。てか、ラブコメやるには、そんなにミステリ要素をいれなくてもいいじゃん(^^;。

[ 2011.09.26 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
白奈さん、おいしくいただいちゃいます2 /似鳥航一

事件を解決するたびに、ハーレム化が進んでる気がするのだけど、どうなるんだろ? いや、あくまで、メインは、白奈、未百合、知里の三人なんだろうけど。未百合と知里の二人はなかなか楽しいのだけど、う~ん、どうせなら未百合の活躍がもちっとほしいところだ。って、それ以前に、タイトル飾ってる白奈こそ、もちっと恋愛方面で絡んできてもいい気がするけど(^^;。

とうわけで、料理で事件を解決するミステリ?のシリーズ第二弾。今回は、「魔術師事件」と「時間跳躍者事件」。 気楽に読めるミステリ風ラブコメとしてよくできていて、出てくるキャラも、もう非常に濃いやつらばかりで、優れた探偵役にもかかわらず、とにかく鈍い玄人を巡る恋愛模様が楽しいのだけど、いまいち物足りない感があるのはなぜだろう。連作短編形式だからかしらん? 次回はとにかく、玄人を好きすぎる未百合の活躍に期待していますっ!!

[ 2012.05.28 ]