2011年 9月 4日
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メディアファクトリー MF文庫J
◆ この部室は帰宅しない部が占拠しました。2 /おかざき登 -
腹黒な妹・耶宵が帰ってきた。重度のシスコンであるユウは、帰宅しない部を置いて、帰宅することに……。やたら腹黒い妹登場でどうなるかと思ったら、なんだか凄くハーレム展開です。もっとヤレっ!! いや、もう少しコンゲーム的な展開になるかと思ったら、お風呂あり、おっぱいありと、スタンダードに主人公のユウ争奪戦になっていて、もう、部活設立の話はどこかにいってしまった気がするのですが(^^;。まあ、これはこれでおもしろいおもしろい。腹黒妹参加といっても、おかざき登らしく、悪人のいない、ほのぼのとした雰囲気と展開がいいねぇ。
▽ ライトノベルBESTランキング ウェブアンケート
『このライトノベルがすごい!2012』のアンケート開始。10/4(火)まで。“「作品=1位~5位を5点~1点 キャラクター、イラストレーター=1位~3位を3点~1点」を基本とし、さらに協力者層、モニター層の回答者数に応じて傾斜をかける方式にさせていただきます”と、今年から傾斜をかけるらしいけど、どゆこと?
2011年 9月 6日
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幻冬舎 幻狼ファンタジアノベルス
◆ 翼の帰る処3 ―歌われぬ約束―(下) /妹尾ゆふ子 -
激しく体調悪いときに読むと、いつも以上に共感バリバリですねっ!! ……俺には、体調を気遣ってくれる幼女たちがいねぇorz。
行く先行く先で幼女をたらしまくるヤエトは、北方でも、無事、ルシルをゲットっ!! ほんと、このモテモテぶりはなんなんだっ。ルシルのあれこれとか、スーリヤとか、もう、ニヤニヤが止まらないぃ~~。や、マジにヤエトと少女たちの絡みが楽しすぎるのだけど、ただ、前巻の引きが、あんなにヤエトのピンチを煽っていたのに、なんだかスルっとクリアしてたりしてた部分は拍子抜け。……しかし、今回で一気に、皇帝との対立のフラグが立ちまくってる気がするのだけど、この先、どうなるんだ一体。
[ 翼の帰る処 ]
▽ 講談社ラノベ文庫 の創刊ラインナップ発表。杉井光、竹井10日、榊一郎、築地俊彦に、『おジャ魔女どれみ16』等のノベライズと、新人賞作品か。講談社BOXや星海社文庫といったエッジの効いたレーベルを別に持っている講談社だけに、すげースタンダードなラインナップだなぁん。
2011年 9月 8日
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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
◆ はたらく魔王さま! /和ヶ原聡司 -
好きラノ2011上 で総合1位だったので、手に取ってみました。なるほど、確かに、読みやすくておもしろい。ただ、新人作品にしては手堅い一方、地味な予感は否めないけど(^^;。
第17回電撃小説大賞<銀賞>受賞作。勇者に討たれる寸前、人間界に逃がれた魔王さま。かつては世界を統べていた魔王さまも、魔力を失い、金もなく、六畳一間のフリーター生活から再起を図ることに……。という感じで、魔王や勇者といったファンタジー世界の華やかなキャラと、リアルで貧乏な生活感のギャップが、とにかく楽しくコミカルな物語。魔王が堅実に正社員を目指すなよ(笑)。そして、追ってきた勇者登場で、微妙にラブコメ展開に発展。ほのぼのといい話だなっ。ほんと、おもしろいおもしろい。
新人作品としては、文章もこなれていて、かなり手堅い予感。ただ、もともと生活感あふれる作品なので、華やかさはなくむしろ地味な印象なのだけど、そこら辺は新人作品としてどうよ?という気も。好み的には、もうちっと萌え的要素も欲しいところだ(^^;。
[ はたらく魔王さま! ]
▽ 講談社ノベルス新刊『少女不十分 /西尾維新』(→Amazon)、購入。宣伝文句の“原点回帰にして新境地”って、なんぞや? ミステリーに回帰するとか?
▽ [スニーカー文庫公式サイト]ザ・スニーカーWEB 『ダンタリアンの書架9』通常版ならびにDVD付同梱版、発売中止のお詫び
▽ 「諸事情」について | ミクモノグラフィカ
[文庫]『ダンタリアンの書架』の作者・三雲岳斗と合意が出来る前に、角川スニーカー側がフライングで発売を告知 → 合意に至らず中止、ということか。DVD付同梱版とかすでに作業始めてたら、中止するにしてもいろいろ大変そうだ。
2011年 9月 9日
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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
◆ アイドライジング! /広沢サカキ -
第17回電撃小説大賞<金賞>受賞作。今年の電撃新人の中では比較的評判が良さそうなので買ってみました。ゆりだー、ゆりだー。
華やかなアイドルたちによるゆりんゆりんな作品。アイドルたちが、それぞれのスポンサー企業が開発したバトルドレスを纏い、ステージで闘う。一瞬、ビューティペアやキューティー鈴木の名前を思い出したけど、イメージが壊れそうだ。むしろ、『レッスンエンジェルス』とか『V.G.』か。脱衣は?<をい
新人作品ということもあり、ストーリー、特に導入は、正直硬いと思うのだけど、キャラがいいよねキャラが。主人公の新人アイドル、アイザワ・モモと、プロデューサーのサイさんをはじめとしたキャラクターが生き生きとしていい感じ。女の子たちの百合的な雰囲気もGood。今後も楽しみです。
[ アイドライジング! ]
2011年 9月 10日
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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
◆ アイドライジング!(2) /広沢サカキ -
タッグマッチだと……。ストーリーの軸は、個人戦でポイントを貯めて、オペラ・オービット、そして、クイーンを目指す道程を描くものかと予想してたのだけど、まさか2巻でタッグマッチとか。や、スポ根モノのセオリーだったら、タッグマッチって、番外編ネタかシーズン終わったあとの繋ぎ的なネタだよね。あくまで女の子同士のキャッキャッウフフがメインで、競技としての「アイドライジング」はどうでもいいのかしらん? や、『サイバーフォーミュラ』とか『銀盤カレイドスコープ』みたいなストーリー展開を期待してたのにー。
といっても、何がおもしろいって、その女の子同士のキャッキャッウフフが最高すぎるわけだけど(^^;。タッグ相手のオリンちゃんと仲良くなろうとあれこれするモモが楽しすぎるっ!! さらに、章の合間に挟まってるモモとオリンのブログがすげーやべー。モモの無邪気なエロ視点とツンデレなオリンの組み合わせが、マジ最高ですわ。続きもすごく楽しみすぎるっ!!
[ アイドライジング! ]
2011年 9月 11日
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ソフトバンククリエイティブ GA文庫
◆ のうりん /白鳥士郎 -
な・ん・だ・こ・れ・はっ!! うわぁ、登場人物、バカしかいねぇ~~。いやもう、いい意味で、頭の悪い作品。狂ってるよ……。“ガイヤが俺にもっと耕せと囁いている”という煽りで、ある程度想像は出来たけど、思った以上に、パロディと下ネタ満載で下品すぎる。マジ酷ぇ(笑)。
というわけで、バカと変態揃いの農業高校の日常を描いた作品。主人公たちだけでなく、多少まともかと思ったヒロインの農も、たった10数ページでバカと判明。ほんと、何なんだ、この小説は(笑)。とにかく下品で、読んでて、楽しい楽しい。また、特筆すべきは挿絵の使い方で、イラストの中に文章の一部を取り込んだり、イラストの差し込み方にも手間をかけていて、文章とイラストの融合度がハンパねぇ。ほんと、これは良く出来たライトノベル。
そして、ただバカなだけではなく、きちんと“良い話”になってるのもGood。や、ラストの農と林檎のやり取りが、めちゃ素晴らしいね。続きのすげー楽しみすぎるっ!!
[ のうりん ]
▽ “クロノについては商業的な都合で……ようするに売れ行きがアレで……続きを出すことが難しい状況です”(日々: パルプチャンネル)
ちょっ、[文庫]『クロノ×セクス×コンプレックス』(→感想)、あんなところで打ち切りかい……。
2011年 9月 18日
▽ 最近、なぜか『星界シリーズ』(→感想) を読み返したりしてるのですが、……『戦旗』の続きはいつでるのん? 緻密なSF設定と壮大なストーリーで、読み返してもすごくおもしろいのだけど、しかし、仮に続きが出たとしても、絶対、結末までは描かれないよなぁ。
▽ おっぱいもみたい!!
▽ [漫画]『神のみぞ知るセカイ(14) /若木民喜』。140ページ、うひゃうひゃうぎゃ~~~~。……や、歩美の活躍を期待してたのだけど、むしろ、月夜のターンか。そしてやっぱり、女神候補生の中では、栞がいいねぇ栞。
▽ [漫画]『修羅の門 第弐門(3) /川原正敏』。対石ころ戦、無駄に長いだろ。石ころの人の正体がアレだった時点で、所詮掴みのためにギャグ担当、あとはもう瞬殺する程度の価値しかないに、無駄にだらだら続けるなぁと思ったら、あとがき、作者の人、そんな勘違いしてたのか(^^;。ただでさえ名作の続編ということで、期待値高いのに、作者がこんなんで、この『修羅の門 第弐門』って、大丈夫なの? すっげー不安なんですが。
▽ [TVA]『うさぎドロップ』#終。今期、最終話までちゃんと見てたの、結局、これだけだった(^^;。しかし、どういう層を対象にしてたんだろう。大人も凄い、みたいな一般論っぽく広げた話になってしまったのは、好み的に、残念無念。りんとダイキチの特別な話で良かったのになぁ。
▽ というわけで、仕事でちと北京に行ってきます。出張費の抑制が求められる昨今、日本から一歩も出たくない人間に、海外出張が回ってくるんだろ(T-T)。
2011年 9月 22日
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講談社 講談社ノベルス
◆ 少女不十分 /西尾維新 -
やたら読むのに時間がかかってしまった。読後感が悪くないのは救いだけど、正直、おもしろいのか、これ(^^;。
西尾維新の私小説風作品。“僕”が作家になるきっかけとなった、10年前のある事件を描いた内容。西尾維新らしいといえばそうなんだろうけど、実験的な要素が強いというか、やたらとクドイ語りと、「いやいや、それはないだろう」というような、わざと突っ込みどころをたくさん残したような歪な内容が、とにかくキツイ。というわけで、個人的には、正直いまひとつ。まあ、ラストはお約束だけど、後味が悪くないのが救いだよね。
[ 少女不十分 ]
▽ 北京は、やたら眼鏡をかけてる人が多かった予感。なにこの眼鏡パラダイスっ!!
▽ アメリカに比べて、格段に楽な印象だったけど、インターネットに制限がかかっているのがツライ。twitter規制とかなにそれ。ブログも見れないのがちらちら。
2011年 9月 23日
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
◆ モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) /谷春慶 -
なにこれ、すっげー、おもしろいんですがっっっ!! 基本は、ハーレム系のどたばたラブコメディ。とにかく、人間に限らずメスでさえあれば誰彼かまわず口説いてしまう主人公をはじめ、個性ありすぎなキャラたちのやり取りが、とてつもなく楽しい。ほんとこれは素晴らしいっ!!
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞、<大賞>受賞作。誰彼かまわず口説いてしまうビョーキな主人公・望月砕月の前に、大鎌を持つ謎の美少女が現れ……。という感じで、ハーレム系ラブコメ+異能バトルといった内容なのだけど、主人公をはじめ、キャラが立ちに立ちまくった登場人物たちのやり取りが、すごく楽しい。隙あらば主人公を襲おうとする、好き好き光線出しまくりの母妹とか、ヤンデレ先輩やツンデレ同級生に幼なじみと、アレ? ヒロイン役の立ち位置にいるべきの不思議少女タマの存在感がちと薄いな(^^;。とにかく、どたばたラブコメとしては極上の出来。新人にしては文章もこなれていて、完成度も非常に高い。ほんと、すばらしいすばらしい。
……ぶっちゃけ、なにも新興のこのラノ文庫に応募しなくても、MF辺りでデビューしてアニメ化を狙ってもいいクラスの作品だと思うのだけど、宝島社がメディアミックスどう考えていくのかって辺りも含めて、今後が、とっても楽しみですっ!!
2011年 9月 24日
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
◆ 美少女を嫌いなこれだけの理由 /遠藤浅蜊 -
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞、<栗山千明賞>受賞作。人類と異なる「美少女」と呼ばれる種族と一緒に暮らすことになった少年の日常を描いた作品。
ええっと、すみません。なにがいいのか、さっぱりわかりませんでした。美少女たくさんと言っても、中身は、おっさんやお爺さんだしなぁ。そういうわけで萌えからは遠く、ネタ勝負な話なのに、肝心の設定は完成度が低くて、がっかり。コミカルで笑えるわけでも、せつなく泣けるわけでもなく、そもそも、文章自体も読みづらい。う~ん、栗山千明はどこを見て選んだんだ?
まあ、外見は美少女だけど中身はおっさん、という、誰もが思いつくけどそのままでは採用しないタイプのネタを、ストレートにやっちゃった点は、ある意味、凄いと思うけど、やっぱり、単にそれだけだとおもしろくなるわけがないよね。やぱし、アイデアをきちんと消化できてないのが、最大の問題。せめて、もうちっと、「美少女と呼ばれる種族」という設定を突き詰めて欲しかったところです。
[ 美少女を嫌いなこれだけの理由 ]
2011年 9月 25日
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宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
◆ 僕と姉妹と幽霊の約束 /喜多南 -
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞、<優秀賞>受賞作。霊感の強い少年が、好きだったクラスメートの少女の幽霊を見つけ、その成仏を手伝おうと……。という感じで、もう直球すぎるせつない系の物語。せつない物語をベースに、キャラたちのやり取りが楽しく、そのバランスが凄くいい。主人公のクロや、幽霊少女の紫音をはじめ、生き生きと描かれたキャラが楽しくて、いやぁ、素晴らしい素晴らしい。結城姉妹とか、すっごく楽しいよね。
ほんと凄く筋のいい物語なのだけど、ただ、ラストはダメだろ。いきなり安易な変化球すぎる。きちんと全体構成を考えて、前もって伏線を張っているならともかく、ろくな準備もしていない、いきなりのどんでん返し。それをやるなら志郎の出番が少なすぎるだろ。そもそも、この物語に読者の予想を裏切る展開って必要なの? せつなく泣ける話は、予定調和が基本だと思うのだけど。……最期まで直球で泣ける物語に仕立ててくれればよかったのに、ラストはホントにがっかりすぎる。
[ 僕と姉妹と幽霊の約束 ]
2011年 9月 26日
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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
◆ 白奈さん、おいしくいただいちゃいます /似鳥航一 -
うーん、微妙。個性的なキャラとそのキャラたちの掛け合いはおもしろいのだけど、肝心の料理+ミステリという構成は無理がある予感。ミステリ風の作品がやりたいなら、素直に、『探偵部』で良かったんじゃなかろうか? ラブコメがやりたいなら、わざわざ料理に謎説きまで組み合わせる必要ないよねぇ。
というわけで、『はい、こちら探偵部です』(→感想) の似鳥航一の新作。美味しい料理で事件を解決する「料理事件部」のボス・本間玄人が、謎の事件を解決していくミステリ風ラノベ小説。とりあえず、タイトルは「白奈さん」だけど、白奈さん、ほとんど活躍しねぇ(^^;。あくまで探偵役は玄人で、ワトスン役は幼なじみの未百合ちゃん? や、玄人が好きすぎて困った性格の未百合ちゃんがなかなか楽しい。未百合ちゃんに限らず、個性的なキャラの掛け合いは、ほんとに楽しい楽しい。
でも、肝心のストーリーはなぁ。もっとぶっ飛んだ展開を期待してたのだけど、わりときちんとミステリをしようとしてる風で、ただ、ミステリに料理を混ぜるのは、ミステリとしては不純物の混ぜすぎで微妙だし、コメディとしては、ちょっと弱いよなぁ。もっと、変なものとの組み合わせじゃないと……。てか、ラブコメやるには、そんなにミステリ要素をいれなくてもいいじゃん(^^;。
2011年 9月 29日
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小学館 ガガガ文庫
◆ 灼熱の小早川さん /田中ロミオ -
眼鏡なイラストに期待して読んだのだけど、ぜんぜん萌えるような話じゃなかったorz。いや、ネコミミとか期待できそうな展開もなくはなかったけれど、結局、期待するのとは明後日の方向に進んで、最終的にはそれも、尻つぼみで終わってしまった印象。がっかり。
そういうわけで、田中ロミオの新作は、「空気」を読まない真面目で固い少女・小早川千尋とクラスメートたちとの戦いの日々を描いた作品。なるほど、スクールカーストと学級政治をネタにした『AURA』(→感想) と似たような方向性の話か。……私も学級委員長(クラス代表)をやったことがあるので、当時を思い出しながら読んだけど、確かに、民衆は愚かだよな。<ちげー。まあ、クラスに仲間がなく、先生の協力もないとツライけど、それ以前に、小早川と直幸の統治手法が、明らかに間違った、自分から問題を拡大生産するような方法なので、読んでてとにかく痛々しい。
眼鏡っ娘萌えとは言わないまでも、主人公たちの二面性が強調された導入に、もうちょっとワクテカな展開を期待してたのだけど、全体的には地味で痛々しい青春物語だったのは残念。しかも、ラストだけ、ご都合主義的なファンタジーになるのは、どういうことよ? 中途半端な結末ではなく、もっと大逆転なカタルシスを感じさせてくれるか、いっそ、絶望に沈む結末で良かったのに……。
[ 灼熱の小早川さん ]