風の聖痕


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
風の聖痕 /山門敬弘

ファンタジア大賞 準入選な新人作品。おもしろい~~っ!!

「炎術師」の名門神凪家の嫡子であったにもかかわらず、素質がないため追放された主人公が、4年ぶりに帰国した日本で、その神凪家の存続を揺るがす事件に、巻き込まれるという話。基本的には、次々現れる敵を倒していく話なのだけど、リズムが良くて、凄くおもしろいねぇ~。

まあ、ただ、新人さんと言うこともあるけど、技量の方は、かなりアレ(^^;。キャラがきちんと描けてなかったり、特に、大人はぜんぜんダメだし、心情描写もかなり下手。構成的にも、コレ 1冊だけなら、まだ粗が見えにくいけど、シリーズ化したら、いろいろとキツイよなぁ。あ、でも、シリーズ化は、激しく希望。……って、あそこまで強い敵を倒したら、次々と敵を倒していくような内容の話で、いったいどうするんだ?というのは思うけど。

[ 2002.01.23 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
風の聖痕2 -魂の値段- /山門敬弘

富士見ファンタジアの新人の中では、私的に一押しの 山門敬弘のデビュー2作目。風使いな主人公が「お兄様のかたきぃぃぃ~」と女の子に狙われる話で、くぅ、やっぱ、おもしろい~~。絶賛っ!! ほんと、綾乃が、綾乃が、綾乃が、と~~にかく、素晴らしい~~。やきもち? 万歳っ!!

そんなこんなで、思わず絶賛なぐらい好きなのだけど、ただ、技量的な部分は、やっぱり、他の新人と比べても、圧倒的に下手じゃないですか(汗;。や、キャラの行動に対して描写も説得力も弱い上、行動それ自体の発想も頭悪いので、キャラはとうぜん、組織&団体も、陳腐にしか見えないし、構成はなってない上に、ある話が展開しはじめると、他の展開はいきなり無視されるし。……や、新人なんだし、そもそも、編集の方で、もちょっとリテイク出しても、良いと思うのだけどな。

[ 2002.07.24 ]


富士見書房 富士見ファンタジー文庫
風の聖痕3 -月下の告白- /山門敬弘

やっぱ、めちゃくちゃおもしろい~~。……下手なのも、相変わらずだけど(^^;

この巻は、今までと、ちょっと毛色が変わっていて、小学生な弟、煉のボーイミーツガールで、初恋ストーリー。ストーリーはありがちで、粗もあちこちに見られて酷いのだけど、や、この作者、ラブコメのツボをきちんと押さえてくれるというか、面白くあるべき部分が、きちんと面白いのよね。ほんと、めちゃくちゃ素晴らしいっ!! こんなに下手な部分が目立つのに、ここまで面白いのは、才能だよなぁ。ほんと、傑作。さいこー。

って、それにしても、べた褒めしてるつもりなのに、いまいち褒めてるような感想に見えない予感なのが、不思議だ(^^;。や、富士見の若手の中では、私的に一押しなんですけど。

[ 2003.02.25 ]


富士見書房 富士見ファンタジア文庫
風の聖痕5 ―緋色の誓約― /山門敬弘

「物凄く下手だけど、何故かおもしろくて魅力がある」というのが、私の『風の聖痕』に対する評価だったのだけど、4巻に続き、この5巻と、どうにも、「おもしろくて魅力がある」部分が感じられない。この作者の技量では、ここら辺のシリーズの長さになってくると、そろそろ、耐用限界かなー。特に、今回の内容で、いまいちに感じるようでは、今後買い続けるのは、ちとツライものがあるかも。

そゆわけで、ひねくれた風使い、和麻と、美人で気の強い綾乃のラブコメを中心に添えたシリーズの第5巻。この 4巻、5巻は、「元カノが、最強の敵とともに登場」って感じの話になっていて、ストーリーだけ追うと盛り上がる筋なのだけど、元来の描写の下手な部分が目立って、ぜんぜん盛り上がってるようにみえず、おもしろくない。や、正直、内海やラピスの使い方や演出が嫌い、という好みの問題もあるんだけど、それを差し引いても、特に人物描写は、もちっとなんとかならないもんかなー。

まあ、そもそも、1巻で綺麗に纏まっていて続巻を書くのが難しい作品だったし、作者の力量から見ても、もっと短いシリーズを何本か書いて、もちっと腕を磨くべきだと思うんだけど、そろそろ終わらないかしらん(^^;。<って、次巻を買うか、かなり迷うトコだ

[ 2004.03.25 ]