旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。


メディアワークス 電撃文庫
旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 /萬屋直人

せつなさの中に、爽やかな読後感。新人さんにしては尖がった部分がないので物足りないと思ったりもするけど、そつなく綺麗に纏まっているし、なかなかに面白かったです。

人々が徐々に存在を失っていく謎の現象により、ゆっくりと滅んでいく世界。そんな世界をバイクで旅する少年と少女と、旅先の人々との心の交流を描いた内容。まあ、ベタなモチーフをセオリー通りに組み立てた作品なので、良くも悪くも期待通り面白さでした。総じて、そこそこ巧く描けてる代わりに、目立った特長には欠ける印象なのだけど、その中でも強いてあげれば、少年と少女の関係性は、頭一つ良かったかしらん。ツンデレだしなっ!!

[ 2008.03.12 ]