太陽のあくび


アスキー・メディアワークス メディアワークス文庫
太陽のあくび /有間カオル

愛媛の農協の少年部に所属する高校生たちが、ミカンの新品種を通販で売り出そうとする話なんだけど、ローカルな雰囲気の中での、コミカルで明るい登場人物たちの空回り気味なドタバタが、NHKの連続テレビ小説みたいな作品だな。なるほど、これは、電撃文庫で出そうと思ってもつらそうで、いかにもメディアワークス文庫向けという感じ。

や、文章はこなれていて、読後感も爽やかでわりと綺麗なジョブナイルなんだけど、ただ、それぞれのイベントは発生させるだけ発生させて、その後のフォローがなく投げっぱなしだったり、ちょっと主人公たちに都合が良すぎたりする展開は、好みじゃないなー。特に、高校生側のドラマは、正直かなりいまいちだったので、テレビ通販会社の柿崎照美側を中心に描いてくれればよかったのに……。

[ 2010.01.02 ]