時砂の王


早川書房 ハヤカワ文庫JA
時砂の王 /小川一水

おもしろかったぁぁぁ。主に3世紀の日本を舞台とした、歴史改変モノなのだけど、とにかくスケールの大きさが魅力で素晴らしいなぁ。各時代を織り交ぜながら、彌与とオーヴァルの二人を軸に展開するストーリー構成も素晴らしく、良かった良かった。

26世紀、謎の増殖型機会群・ETの来襲により人類は滅亡の縁に立っていた。時間遡行の技術を得、過去にまで干渉し人類を蹂躙しようとするETに対し、人類も過去へのメッセンジャーを派遣する。というわけで、一人の女を想いつつ、数多の時間枝で滅亡していく人類を見つめてきたメッセンジャー・0の寂寥感、そして、ETとの壮大で絶望的な闘い。いやぁ、歴史改変モノらしく、ほんとスケールが大きく壮大で、おもしろいおもしろい。ストーリーの根底に、せつないラブストーリーを置いてるのも好みだなぁ。いやぁ、ホントおもしろかったです。

[ 2007.10.27 ]