藤堂家はカミガカリ


メディアワークス 電撃文庫
藤堂家はカミガカリ /高遠豹介

めちゃくちゃ素晴らしいっ!! 一瞬、最高傑作級と思えるぐらい、コミカルな部分のセンスが抜群に素晴らしいっ!! キャラは魅力的だし、ストーリー展開も悪くない。いやぁ、いかにも新人らしい荒削りな魅力に溢れた作品で、ほんとに面白かったぁ~~。

第14回電撃小説大賞<銀賞>。ある少年の護衛のために、異世界「ハテナシ」からやってきた、神一郎と美琴。二人は、その少年―周慈の家に押しかけ、ムリヤリ居候することに……。八咫烏に三種の神器と日本神話をモチーフにしてるのだけど、それがあまりにチープで最初はどうしようかと思ったのだけど、全体に漂うそのチープさと良い意味での頭の悪さが、とにかくコメディとして秀逸。キャラのおバカな会話が、とにかくめちゃくちゃ面白いのよ。その上辺のバカっぽさの下では、シリアスで心温まる系のストーリーが展開したりして、その対比も含め、ほんとめちゃくちゃ素晴らしい。いかにも新人らしい作品で、その荒削りな部分もあわせて、いやぁ、ホント良かった良かった。

[ 2008.02.11 ]


メディアワークス 電撃文庫
藤堂家はカミガカリ2 /高遠豹介

がはっ、デレですかっ、デレっ!! いきなりの春菜のデレ化に笑いが止まりませんっ!! ……だけど、1巻で出来が良かったコミカルな部分は、正直、低調。素晴らしかった1巻と比べると、いまいち感が漂うなぁ。

日本神話の原型になった異世界「ハテナシ」からの来た居候、神一郎と美琴、その二人に居つかれた藤堂家の姉弟、春菜と周慈。そんな4人の擬似家族を描いたシリーズ第二段。今回は、アフロな変な奴が持ち込んだアイテムで、藤堂家は大変なことに……。というわけで、騒動の核になる春菜を中心に、いやぁ、おもしろいおもしろい。デレ春菜さいこーーーーっ!! っと、ただ、前回良かったコミカルな部分は、今回低調で、その上、熱く、涙もあるハズのシリアスな戦闘シーンは、いかにも出来が悪い。どうにも、場面を盛り上げるための情報の置き方とか、緩急の付け方が下手なんじゃないかしらん。まあ、続く大きなストーリーへ向けての伏線は散りばめてるし、今後に期待ではあるかなー。

[ 2008.05.14 ]


メディアワークス 電撃文庫
藤堂家はカミガカリ3 /高遠豹介

相変わらず、頭の悪い会話に、気の抜ける戦闘が楽しすぎるっ!! そして、重要な役どころにも関わらず、脈絡なく登場しておざなりに退場していく吸血鬼勢力の扱いはどうよ(爆笑)。いや、この独特なノリは、やっぱ、面白いなぁ~~。

そゆわけで、藤堂家に居候する、神話的な世界からやってきた愉快な二人を描いたシリーズ第三弾。今回は、春菜の親友の沙紀は実は……、といった内容なのだけど、ストーリーはあってないようなもんだよな、コレ。あくまで、バカなノリを楽しむ内容(笑)。……とはいっても、確かにノリは楽しいのだけど、あまりにノリ以外に見るべきものがないのも、ちょっとどうかと思ったりも。贅沢かしらん(^^;。

[ 2008.09.12 ]