打たれ強くなるための読書術
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筑摩書房 ちくま新書
打たれ強くなるための読書術 /東郷雄二 -
“積み方には各自工夫を凝らされたい”って、だははははっ、読書術の本のくせに、積ん読奨励ですかっ!! まあ、なにかとエンターテイメント系の小説を低く見ていたり、二言目には「最近の若者は……」と言い出したりして、いかにも頭が固く視野の狭い言動が目立つのはアレだけど、その分、作者のキャラクターがよく出ていて、面白かったです。
そゆわけで、一応、「書かれてることを鵜呑みにせずに、考えながら読むべし」という感じことを言わんとしてるのだけど、まあ基本的には、自分の読書のアレコレと、最近の若者に対する愚痴を綴った内容。この手の読書術の本ではありがちだけど、この本も例に違わず、「本読みなら誰でもやってるようなことをもったいぶって書いてるだけ」というレベルは超えず。まあ、他の新書に比べると、作者の顔が見えるようなノリで書かれてるので、その点では面白かったかしらん。でも、いかにも視野の狭い視点での若者叩きは、ちと痛々しいと思う。あと、「自分以外はみんなバカ」という思考が見え隠れしてる感じがするのは、どんなもんだろう(笑)。作者の人は、京大の教授をしてるらしいのだけど、日頃の学生対応の苦労が偲ばれて、にんとも。
[ 2008.02.20 ]