吾輩はオークである。


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吾輩はオークである。 女騎士はまだいない。 /内田俊

ダイナマイトナースっ!! ダイナマイトナースっ!! いやぁ、カードゲーム『ダイナマイトナース』で遊ぶようなライトノベルはいいライトノベル。というか、新旧含めて山ほどネタを盛り込んで愉快なライトノベルすぎる。楽しい楽しい。

や、このタイトルで、ファンタジーでもなんでもなく、変な部活モノなんですよ。文学部もとい≪豚の騎士団≫でだらだらとすごす日常を描いた連作短編。ようは、平坂読の『はがない』とかと同じスタイルで、愉快な仲間たちが部室に集まって、ひたすら駄弁ったり遊んだりする作品。一応、部員の中に、オークをはじめとする人外がいるのだけど、そこはあくまでキャラ付けであって、基本は愉快な仲間が駄弁ってるだけ。ここら辺、手っ取り早くキャラを立てるのに、オークやら女騎士やら不死鳥やら雪女やら悪魔やら吸血鬼やらを持ってくるのは上手いね。きちんとキャラを立てた上で、こいつらがバカやってる日常が、またきちんと、おもしろいっ!! アニメとゲーム、ネットネタをふんだんに投入していて、そういうネタに依存した部分がおもしろさの大きな部分を占める気もするけど。まあ、非常に面白くて、これはいいライトノベル。

強いて不満を挙げれば、日常のバカ話は楽しいのだけど、メインのストーリーが弱いというかないんだよなぁ。この手の作品は、まあ、ストーリーは基本不要といっても間違いはないのだけど、平坂読の作品のように、次巻へのフックは、もうちょっと強力でもいいと思う。

[ 2016.03.15 ]