カッティング
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ホビージャパン HJ文庫
カッティング ~Case of Mio~ /翅田大介 -
素晴らしい。若者らしい恋と悩みの描写といい、SF的な設定といい、きちんと納得できるクオリティで仕上げてあって、Good。まあ、散見される青臭い展開は、正直、好みではなかったんだけど、そゆ部分を差し引いても、十分に素晴らしい作品でした。
第1回ノベルジャパン大賞、佳作。若さゆえの悩みを抱いてたりするカズヤは、某綾波レイっぽい雰囲気のミオに一目惚れ。カズヤはミオに交際を申し込み付き合うことになったが、ミオには秘密が……。という感じの内容なのだけど、新人さんにしては、凄く出来が良いっ!! 青臭くて好みじゃない部分も多かったにもかかわらず、それ以上にめちゃくちゃ面白かったです。いやぁ、物語のベースがしっかり出来ているという印象。そして、前半の恋愛&若者の悩みの描写も素晴らしく、SF設定の説得力もなかなか。これで、ライトノベルらしい青臭い展開を廃して、もっと硬質なSF系恋愛作品に仕立ててくれたなら、すげー好みで大絶賛だったんだけどなぁ。とにもかくにも、筆力は非常に高いと思うので、今後の作品も楽しみですっ!!
[ 2007.07.18 ]
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ホビージャパン HJ文庫
カッティング ~Case of Tomoe~ /翅田大介 -
あとがきに“中二病”とあるけれど、単にイタいだけでなく、きちんと計算された構成と演出を併せ持つ内容で、めちゃ上手い。1巻同様、青春の恋と悩みを SF的な設定で味付けした話で、いやぁ、おもしろかったぁ~。
そゆわけで、幼い頃に母を亡くし父に捨てられた紅条ケイイチロウ。ある日、妹を名乗り母と同じ名前を持つ紅条トモエが、ケイイチロウのクラスに転校してきて……。と、1巻から設定は引き継ぐものの、基本的な登場人物は総入れ替え。ケイイチロウとトモエ、そして、ケイイチロウの従妹・灼の三人を軸に、それぞれの想いを描いた作品になってます。中二病的なので、ちょっと好みからは外れるんだけど、それでも、きちんと芯があり、そして、綺麗に纏まった内容に仕立ててあって、ほんと素晴らしいなぁ。続刊も、こういう登場人物入れ替えですすめるのかしら? 非常に楽しみです。
[ 2007.12.03 ]
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ホビージャパン HJ文庫
カッティング ~Case of Mio Entanglement~ /翅田大介 -
チープな恋愛モノになってしまい、がび~~ん。まだ、前半のラブラブな部分は良かったのだけど、後半は、無理やりラストシーンを書きたいだけみたいな内容。心情描写も表面的にしか描けてなくて、もう、ガッカリですよ。
そゆわけで、クローン技術と脳情報のバックアップ技術の組み合わせにより、実質的な不老不死を目指した技術―B.R.A.I.N.complex。その B.R.A.I.N.complexにより生き返った少年少女の心の傷を描いたシリーズ第三段。今回は、一巻のミオとカズヤのカップルのもとに、B.R.A.I.N.complexを知る少女・葛峰昴が近づいてきて……。
と、元々、このシリーズは、中二病的で青臭い中に、きちんと練られた設定と構成があって、そのアンバランスな尖がった部分が良くも悪くも魅力的だったのだけど、そういう尖がった部分はほとんどなくなってしまっていて、単なる出来の悪い恋愛モノになってしまっているのが、とにかくガッカリ。……今回は、次巻以降のためにラストの状況が作りたかっただけ、という内容なんで、まあ、次巻次第ではあるんだけどさぁ。
[ 2008.05.04 ]